catch-img

特殊健康診断の種類とは?法定11種類を分類して解説

導入

「特殊健康診断にはいくつ種類があり、自社ではどれを管理すればよいのか把握できていない」という人事労務ご担当者は少なくありません。個々の健診の存在は知っていても、全体の体系を整理できていないために、対応の抜け漏れに気づきにくいという課題もあります。特殊健康診断は、対象となる有害業務ごとに実施根拠となる法令が異なり、種類ごとに管理すべきポイントも変わってきます。全体像を体系的に理解しておくことで、自社に必要な健診の抜け漏れを防ぎやすくなります。本記事では、法定の特殊健康診断の種類を分類して解説します。


労働安全衛生法に基づく特殊健康診断

労働安全衛生法および関連の特別規則に基づく特殊健康診断は、主に次のように分類されます。有機溶剤中毒予防規則に基づく有機溶剤等健康診断、鉛中毒予防規則に基づく鉛健康診断、四アルキル鉛中毒予防規則に基づく四アルキル鉛健康診断、特定化学物質障害予防規則に基づく特定化学物質健康診断、高気圧作業安全衛生規則に基づく高気圧業務健康診断、電離放射線障害防止規則に基づく電離放射線健康診断、石綿障害予防規則に基づく石綿健康診断です。これらはいずれも、取り扱う物質や作業環境による健康影響を早期に発見することを目的としています。

じん肺法に基づくじん肺健康診断

粉じん作業に従事する労働者については、じん肺法に基づくじん肺健康診断が別途定められています。じん肺の進行度に応じて実施頻度が変わる点が特徴で、管理区分が進むほど実施間隔が短くなる仕組みになっています。


その他の法令に基づく特殊健康診断

労働安全衛生法以外にも、じん肺法によるじん肺健康診断や、行政指導通達に基づく健康診断(VDT作業健康診断、騒音健康診断など)が存在します。これらは法的な位置づけがやや異なりますが、実務上は特殊健康診断と並行して管理されることが多いため、あわせて把握しておくとよいでしょう。通達に基づく健診は罰則を伴う義務ではないものの、労働者の健康確保の観点から実施が強く推奨されています。


種類ごとの管理上の違い

種類によって、実施項目や実施周期、記録の保存期間が異なります。例えば、特定化学物質のうち発がん性が指摘される物質を取り扱う業務については、離職後も健康管理手帳制度による追跡が必要になるケースがあります。石綿健康診断は、ばく露から長期間経過した後に健康影響が現れることがあるため、保存期間が40年と特に長く設定されています。種類ごとの違いを理解せずに一律の管理を行うと、必要な記録が期限前に廃棄されてしまうリスクもあります。退職者の記録についても、種類によっては長期保存が必要になるため、在職者と同様の管理体制を維持することが求められます。


対象人数から見る種類ごとの傾向

厚生労働省の実態調査などによれば、有機溶剤健康診断や特定化学物質健康診断は、製造業を中心に対象者数が多い傾向にあります。一方、電離放射線健康診断や高気圧業務健康診断は、医療機関や建設業など特定業種に限定されるため、対象者数自体は少ないものの、専門的な検査項目が求められる点が特徴です。自社がどの種類に該当するかによって、健診機関の選定や予算計画も変わってくるため、傾向を把握したうえで準備を進めることが望ましいでしょう。


自社での管理のポイント

自社で複数の特殊健康診断が必要な場合、種類ごとに対象者・実施時期・保存期間が異なるため、一覧表を作成して管理することが有効です。健診結果や実施状況をシステムで一元管理し、種類ごとの管理ルールを自動的に適用できる仕組みがあれば、担当者の負担を大きく軽減できます。担当者が異動しても引き継ぎがしやすいよう、管理ルールをドキュメント化しておくことも実務上のポイントです。


まとめ

特殊健康診断の種類については、①労働安全衛生法関連の特別規則に基づく7種類、②じん肺法に基づくじん肺健康診断、③行政指導通達に基づくものなど、複数の法的根拠が存在すること、④種類ごとに実施項目・周期・保存期間が異なること、⑤業種によって該当しやすい種類の傾向があること、という点を理解しておく必要があります。健康管理システムを活用して種類別に管理ルールを設定しておけば、複雑な特殊健康診断の管理業務を効率化できます。自社が対応すべき種類を今一度整理してみてはいかがでしょうか。

mediment
mediment
mediment(メディメント)は、従業員のあらゆる健康データを一元管理し、産業保健業務の効率化を支援するクラウドシステムです。 クラウドシステムならではの多彩な機能で、あらゆる業務のペーパーレス化を実現し、従業員のパフォーマンス向上に貢献します。

監修者情報

三浦 那美(メディフォン株式会社産業看護師/第一種衛生管理者)

看護師として大学病院の内科混合病院にて心疾患や糖尿病、膠原病などの患者対応業務に従事。その後、看護師問診や海外赴任向けの予防接種を行っているクリニックに転職。これら医療機関での経験を通じ、予防医療やグローバルな医療提供の重要性を感じ、メディフォンに入社。現在は、産業看護師として健康管理システム「mediment」のオペレーション業務やコンテンツ企画を担当。

サービス資料をダウンロード
サービス資料ダウンロード