【事例あり】健康経営の取り組みを紹介!ユニークさや独自性が光る企業も
資料DL「企業内担当者向け 『健康経営』の実践において 知っておくべき8つの ポイント」
従業員の健康と会社の活力を高めるために、推進されている「健康経営」。
経済産業省も推進しており、健康経営に取り組む会社も増加しました。会社によって取り組み方はさまざまですが、中にはユニークな独自性をもった取り組みをしている企業も増えています。
この記事では、健康経営を促進するためどのような取り組みがなされているのか、具体的な事例もご紹介しながら解説します。
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そもそも健康経営とは?
健康経営とは、従業員の健康管理や健康増進の取り組みを「投資」と捉え、経営的な視点で考え、戦略的に実践することです。
今までは従業員の健康管理は自己責任で、企業にとっては「コスト」と考えられていました。しかし、人手不足や高年齢化の問題を背景に、健康経営に注目する企業が増えてきています。
従業員の健康保持・増進に取り組むことで組織の活性化や、生産性の向上、企業価値の向上などの効果が期待されています。
ちなみに「健康」とは、WHOの定義によると、「肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあること」を指します。
健康経営の取り組みについて詳しく見ていきましょう。
健康経営が推進される理由
健康経営が推進される理由として、以下の3つの理由があげられます。
- 少子高齢化による深刻な人手不足
- メンタルヘルス不調者の増加
- 働き盛り世代の健康を脅かす生活習慣病
従業員が健康で仕事とのライフワークバランスを保てるよう、健康経営に取り組むことが推進されています。
政府が取り組む健康経営制度とは
経済産業省は、優良な健康経営を実践している企業に対して「健康経営銘柄」、「健康経営優良法人」として顕彰する制度を設けています。
引用:経済産業省「健康経営の推進について」
【大企業が取り組める健康経営】健康経営銘柄とは
「健康経営銘柄」は、経済産業省と東京証券取引所によって始められた取り組みで、国民の健康寿命を延ばすことを目的としています。東京証券取引所の上場会社の中から健康経営に優れた会社が選定されます。
よって、「健康経営銘柄」の認定を受けるには、東京証券取引所の上場会社である必要があります。
「健康経営銘柄」の詳細に関しては、下記の記事で解説しているため、参考にしてみてください。
【中小企業が取り組める健康経営】健康経営優良法人制度とは
一方、「健康経営優良法人制度」は、積極的に健康経営に取り組み実践している企業に対して、日本健康会議が認定し顕彰する制度です。
認定を受けると、健康経営優良法人のロゴマークがもらえ、企業のPRに使用できます。また東京証券取引所の上場会社である必要はないため、申請する企業が毎年増加し、認定数も増加しています。
「健康経営優良法人」の詳細に関しては、別記事で解説しているため、参考にしてみてください。
2020年度より、中小企業の健康経営優良法人の上位層を対象に、「健康経営優良法人の中でも優れた企業」かつ「地域において健康経営の発信を行っている企業」を「ブライト500」として新たに認定されることとなりました。
政府が企業に対して、健康経営への取り組みを重要視していることがわかります。
健康経営の導入効果・期待されるメリット
企業で健康経営に取り組むことによって得られる効果やメリットについてご紹介します。
・生産性の向上
健康経営に取り組むことにより、従業員のストレスが軽減され業務の効率化が期待できます。
従業員の健康が促進されれば、仕事へのモチベーションが上がり活力を高められるため、生産性の向上へとつながるでしょう。
・業務効率向上による負担軽減
健康経営により職場環境が改善した結果、残業時間を大幅に減少できたという会社もあります。業務効率が上がり、従業員ひとりひとりの負担が減ると離職率の低下にもつながります。
また、負担が減ると従業員が自分自身の健康を維持することができ、長期的には企業の健康保険料負担の抑制にもなるでしょう。
・企業ブランドのイメージアップ
健康経営を積極的に行うなら、社内的・社外的なイメージ向上につながります。企業価値が向上することで、優秀な人材が集まりやすくなる点もメリットのひとつでしょう。
また、就職活動中の学生でも、健康経営の話題が上がるほど注目されており、積極的に取り組んでいる企業はイメージアップにつながります。
・労働災害や事故などのリスクマネジメントの予防
健康状態が悪い中で労働していると、病気になる可能性が高くなります。
心身に関わる病気や事故になると、場合によっては企業の責任が問われるため、そうなる前に健康経営に取り組むことが大切です。
【好事例】健康経営のユニークな取り組みをしている企業
健康経営に積極的に取り組んでいる企業を4つご紹介します。
イーバリュー株式会社「健康チャレンジパック」
イーバリュー株式会社は愛知県にある、環境コンサルティング事業や社員教育事業、人材サービス事業をおこなっている企業です。
イーバリュー株式会社は 健康経営に取り組んだ結果、「健康経営優良法人2022」とスポーツ庁認定の「スポーツエールカンパニー2022」を取得しました。
どんなに仕事を頑張っても、身体を壊してしまっては意味がないという思いから、従業員が楽しみながら長く続けられるようなユニークな健康への取り組みを実施しています。
【健康経営への取り組み】
・健康チャレンジカップ |
サイボウズ株式会社「新・働き方宣言制度」
サイボウズ株式会社では、「100人いたら100通りの働き方」があってよいという考えから、従業員それぞれが理想の働き方を実現できるようにしています。
以前は採用や従業員の定着率の低さが課題でしたが、多様な働き方ができるようにしたところ、離職率が28%から3%前後に減少しました。
【健康経営への取り組み】
・新・働き方宣言制度 |
株式会社弘「弘リンピック(運動会)」
株式会社弘は京都にある、焼肉店を運営している企業です。
【健康経営への取り組み】
・弘リンピック(運動会)
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ネッツトヨタ山陽株式会社「けんこうプログラム」
ネッツトヨタ山陽株式会社は、なによりも従業員の健康が重要だと考え、健康経営に取り組み始めました。
【健康経営への取り組み】
・けんこうプログラム
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また、健康管理システムを導入し、データを健康経営に活かしている企業様もいらっしゃいます。
健康経営に取り組むべき企業の特徴3つ
上記のメリットを踏まえ、とくに健康経営に取り組んだほうがいい企業には共通点があります。健康経営に取り組むべき3つの特徴をご紹介します。
①休職者・離職者が多い
まず第一に、仕事をストレス要因とするメンタル不調や体調不良で休んでいる従業員が多いという特徴があります。 健康経営に取り組むことにより、従業員の仕事によるストレスや心身の不調を理由に辞める人を減らせるでしょう。 また仕事によるストレスが少ないと、活力が上がり仕事のパフォーマンス向上につながります。
②残業・休日出勤が多い企業
人手不足により残業や休日出勤が多い企業も、健康経営に取り組みましょう。ストレスが増え続け、メンタル不調になっても残業などによって病院に行けず、もっとひどくなる可能性があるためです。
残業や休日出勤が多い企業は、人材がほしくても求職者に環境が良くないと判断され、応募者が減少する恐れもあります。 健康経営に取り組み、会社のイメージアップができると人材が確保でき、残業を削減できるため従業員の負担を大幅に減らせるでしょう。
③ストレスを抱えた社員が多い企業
ストレスを抱えたままでいると仕事への活力が下がり、その結果、仕事のパフォーマンスも下がってしまうという悪循環になりがちです。 会社の生産性への影響もあるため、ストレスチェックの結果が悪い企業は健康経営に取り組みましょう。
「健康経営」に取り組む際の3つの注意点
健康経営に取り組むにあたって、意識したい3つの注意点をご紹介します。
注意点1.企業全体で健康経営の重要性を理解することが重要
企業によってさまざまな取り組みがありますが、企業全体で周知しなければ「知らなかった」、「誰も参加しなかった」という状態に陥る可能性があります。
従業員の皆に知ってもらうためには、プロジェクトチームを組んで健康経営の周知に取り組みましょう。
また、企業のトップ(経営者)が自ら動いて周知に努めるのも効果的です。健康経営の意義やメリットなど、プロジェクトチームや企業のトップが一丸となってその重要さを従業員に対して広めるのがおすすめです。
健康経営を実施するメリットを従業員が理解できると、健康経営に企業全体で取り組めるでしょう。
注意点2.強要・強制は逆効果になることも
いかに魅力的な取り組み内容でも、強要・強制するなら新たなストレスの要因となり、健康経営と逆行してしまいます。
普段から従業員の困りごとに耳を傾けたり、「どのような会社なら働きやすいか」「もっとこんな会社にしてほしい」など会社への意見を聞いたりすることで、従業員自身が前向きに健康経営に参加できるように工夫しましょう。
注意点3.長期的な視点で取り組む
健康経営は長期的な視点で焦らず継続的に取り組むことが大切です。効果が現れる流れをわかりやすく画像にしたものが下記のとおりです。
経済産業省「健康経営推進について」より引用
健康経営は、一朝一夕に結果が出るものではありません。長期的な視野で、取り組んでいきましょう。
健康経営に取り組んで企業成長へつなげよう
健康経営に取り組むため、さまざまな工夫をしながら実施している企業をご紹介しました。
従業員の健康を考えることは、企業の生産性を上げるためにも非常に重要です。
いきいきと、かつ従業員それぞれの人生を全うできるように企業として健康経営に積極的に取り組み、従業員の健康促進と、企業の成長へとつなげていきましょう。