catch-img

長時間労働の改善対策とは?企業が取り組むべき具体策を解説

導入

「長時間労働を減らしたいが、何から手をつければよいのか分からない」という悩みは、多くの人事労務ご担当者に共通しています。掛け声だけの対策にとどまり、実際の労働時間が改善しないまま数年が経過しているという企業も少なくありません。長時間労働は労働者の健康障害リスクを高めるだけでなく、企業イメージや採用活動にも影響を及ぼしかねません。働き方改革関連法の施行以降、時間外労働の上限規制が強化されており、企業には実効性のある改善対策が求められています。本記事では、長時間労働の改善に向けた具体的な取り組みを解説します。


労働時間の現状把握と見える化

改善対策の第一歩は、労働時間の実態を正確に把握することです。タイムカードや自己申告に頼った管理では、実際の労働時間との乖離が生じやすいため、客観的な記録方法(パソコンのログや入退室記録など)を活用した勤怠管理が求められます。部署別・個人別に時間外労働の状況を可視化し、36協定の上限に近づいている労働者を早期に把握できる仕組みを整えることが重要です。可視化にあたっては、単月の数値だけでなく、複数月の推移をグラフ化することで、恒常的に長時間労働が発生している部署や個人を見つけやすくなります。

経営層への報告体制

労働時間の状況を定期的に経営層に報告し、組織全体の課題として認識してもらうことも、実効性のある改善には欠かせません。経営層の関与が明確になることで、現場の管理職も改善に本腰を入れやすくなります。


業務プロセスの見直し

長時間労働の根本原因は、多くの場合、業務量の偏りや非効率な業務プロセスにあります。業務の棚卸しを行い、属人化している業務の標準化、承認プロセスの簡素化、会議時間の見直しなどを進めることで、時間外労働の削減につながります。RPAやシステム導入による定型業務の自動化も、有効な選択肢の一つです。特定の担当者に業務が集中している場合は、業務の再配分やジョブローテーションを通じて、特定個人への負荷集中を解消することも重要な視点となります。


組織風土・マネジメントの改善

「早く帰りづらい」という職場風土がある場合、管理職自身の働き方を見直すことが改善の鍵となります。管理職に対して部下の労働時間管理の重要性を教育し、業務配分や進捗管理を適切に行えるようにすることが求められます。ノー残業デーの設定や、退勤時間の目標を部署単位で共有する取り組みも効果的です。管理職自身が長時間労働をしている職場では、部下も同様の働き方を続けやすくなるため、まずは管理職層の意識改革から着手することが有効です。


産業保健スタッフとの連携による改善

改善対策は人事労務部門だけで完結するものではなく、産業医・保健師など産業保健スタッフとの連携が欠かせません。長時間労働者に対する医師の面接指導の結果を、単なる個別対応にとどめず、部署全体の業務量の偏りを見直すきっかけとして活用することが効果的です。ストレスチェックの集団分析結果とあわせて、長時間労働と高ストレス者の重なりが大きい部署を特定できれば、優先的に改善に取り組むべき対象を絞り込みやすくなります。


制度面での対応

フレックスタイム制や在宅勤務制度の活用により、通勤時間や移動時間を削減し、業務に充てられる時間を効率化する方法もあります。また、時間外労働が恒常的に発生している部署については、増員や業務移管を検討することも根本的な対策となります。制度を導入するだけでなく、利用状況を定期的に確認し、想定した効果が得られているかを検証することも忘れてはなりません。


まとめ

長時間労働の改善対策では、①客観的な勤怠管理による労働時間の見える化、②業務プロセスの棚卸しと効率化、③管理職教育による組織風土の改善、④制度面での柔軟な働き方の導入、⑤産業保健スタッフと連携したデータ分析、という5点が重要です。改善は単発の施策ではなく、勤怠データ・健康診断結果・ストレスチェック結果を横断的に分析しながら継続的に見直していくプロセスとして捉えることが大切です。これらのデータを一元管理できるシステムを活用すれば、長時間労働者の早期把握と産業医面談へのスムーズな連携が可能になります。改善の第一歩として、労働時間の見える化から着手してみてはいかがでしょうか。

mediment
mediment
mediment(メディメント)は、従業員のあらゆる健康データを一元管理し、産業保健業務の効率化を支援するクラウドシステムです。 クラウドシステムならではの多彩な機能で、あらゆる業務のペーパーレス化を実現し、従業員のパフォーマンス向上に貢献します。

監修者情報

三浦 那美(メディフォン株式会社産業看護師/第一種衛生管理者)

看護師として大学病院の内科混合病院にて心疾患や糖尿病、膠原病などの患者対応業務に従事。その後、看護師問診や海外赴任向けの予防接種を行っているクリニックに転職。これら医療機関での経験を通じ、予防医療やグローバルな医療提供の重要性を感じ、メディフォンに入社。現在は、産業看護師として健康管理システム「mediment」のオペレーション業務やコンテンツ企画を担当。

サービス資料をダウンロード
サービス資料ダウンロード