健康経営助成金の条件・対象・金額・申請方法をまとめて整理! 12の助成金まとめ
昨今では、労働者の健康管理を経営的に考え、実践する「健康経営」に注目が集まっています。
しかし、健康経営に取り組む中で「健康経営のために利用可能な助成金・補助金がどのようなものか、どのように申請すべきなのか」と、頭を悩まし、費用面で健康経営に踏み切れない企業も多いのではないでしょうか?
この記事では、健康経営に関する代表的な12の助成金をピックアップし、概要や申請方法を解説します。
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以下の資料では、健康経営の基礎から実践事例まで、図や表でわかりやすく解説しています。ぜひ業務にお役立てください。
>>資料ダウンロードはこちら(無料):健康経営を始める前に知っておくべきポイント8つ
健康経営とは?
そもそも、健康経営とはどのようなものでしょうか?
「健康経営」とは、従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践することです。
従業員への健康投資をすることで、従業員の仕事に対するモチベーションやパフォーマンスの向上を図り、生産性の向上につながるなど、さまざまなメリットがあると期待されています。
実際に、経済産業省では、健康経営に優良に取り組む法人を見える化するため、銘柄の選定などを積極的に行い、健康経営に取り組む企業を応援しています。
健康経営についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
助成金を利用して健康経営に取り組むメリット
企業が健康経営に取り組む主なメリットは以下の3点です。
- 企業のイメージアップに繋がる
- 生産性が向上する
- 採用力が強化できる
健康経営に取り組む際は経費がかかる場合も多いですが、助成金を利用することでどのような企業でも無理なく始められます。
また、健康経営助成金を利用して健康経営をおこなうと、以下のようなメリットが受けられます。
- 健康経営に関するコストを削減できる
- 健康経営優良法人を取得しやすくなる
健康経営は企業が存続する上で、重要な施策なのです。
健康経営優良法人については、以下の記事で詳しく解説しています。
健康経営助成金とは?12の助成金【早見表】
企業が利用できる、健康経営に取り組む企業を応援するために制定された助成金は多数あります。
ここでは、代表的な助成金を12個ピックアップし、それぞれの概要や申請方法などを網羅的にご紹介していきます。
特徴 |
概要 |
対象 |
助成金額 |
申請方法 |
参考サイト |
|
1.ストレスチェック助成金 |
ストレスチェック実施時に助成金を受けられる |
ストレスチェック費用 |
50名未満の事業場 |
・ストレスチェックの実施:1従業員あたり500円
・ストレスチェック後、医師から従業員が面談指導を受けた場合:1活動につき上限21,500円
|
ストレスチェック実施後、「独立行政法人労働者健康安全機構」へ申請 ※期限あり |
ストレス助成金| 労働者健康安全機構 |
2.心の健康づくり計画助成金 |
メンタルヘルス対策促進員の助言や支援に基づき、心の健康づくり計画を作成し、対策を実施すると、助成金を受けられる |
心の健康づくり計画実施費用 |
雇用人数の定めなし |
1企業あたり1回10万円(1回限り) |
「独立行政法人 労働者健康安全機構」へ申請 |
心の健康づくり計画助成金|労働者健康安全機構 |
3.治療と仕事の両立支援助成金 |
傷病を抱えながら働く従業員を支援する取り組みを行うと受けられる |
取り組み内容に対して |
雇用人数の定めなし |
「環境整備コース」「制度コース」それぞれのコース、一律20万円(1回限り) |
「独立行政法人労働者健康安全機構」へ申請 |
治療就労両立支援事業|労働者健康安全機構
|
4.受動喫煙防止対策助成金 |
職場での受動喫煙防止対策のため、喫煙室を設置すると受けられる |
喫煙専用室の設備などにかかる公費、設備費、機械装置費 |
小売業:50人以下 |
費用の2/3(上限100万円)、飲食店以外の中小企業事業者の場合は費用の1/2 |
「各都道府県労働局・労働基準部健康安全課」へ提出 |
受動喫煙防止対策助成金| 厚生労働省 |
5.副業・兼業労働者の健康診断助成金 |
副業兼業労働者に対して一般健康診断を実施すると受けられる |
一般健康診断 費用 |
雇用人数の定めなし |
1回限り1副業・兼業労働者あたり1万円(1事業場あたり10万円上限) |
「独立行政法人 労働者健康安全機構」に提出 |
副業・兼業労働者の健康診断助成金|労働者健康安全機構
|
6.キャリアアップ助成金 |
非正規雇用の従業員に対してキャリアアップを促進するための取り組むを行うと受け取れる |
コース費用 |
小売業:50人以下 |
企業の規模や要件に応じて、費用は異なる ※要確認 |
「都道府県労働局」に申請 |
キャリアアップ助成金|厚生労働省 |
7.働き方改革推進支援助成金 |
従業員が十分な勤務間インターバルを確保するために、企業が機器や設備導入をすると受け取れる |
5つの項目に該当する中小企業 ※5つの項目に関しては厚生労働省HP参照 |
小売業:50人以下 |
対象経費の3/4以内(上限額あり) |
「都道府県労働局雇用環境・均等部」へ提出 |
働き方改革推進支援助成金|厚生労働省 |
8.両立支援等助成金 |
仕事と家庭の両立の支援や、女性活躍推進に取り組むと受けられる |
コース費用 |
小売業:50人以下 |
それぞれのコースに合わせた費用 ※要確認 |
「都道府県労働局」に提出 ※申請は1回目と2回目で異なる |
両立支援等助成金|厚生労働省 |
9.業務改善助成金 |
事業場で最低賃金の引き上げを図るための制度 機械設備など生産性向上目的で設備投資をすると受け取れる |
生産性向上のための設備投資等にかかった費用の一部 |
100人以下の事業場 |
賃金引き額や対象従業員により、助成金額は異なる ※要確認 |
「都道府県労働局」に提出 |
業務改善助成金|厚生労働省 |
10.小規模事業場産業医活動助成金 |
従業員50名未満の事業所で産業医を配置すると利用できる |
職場環境改善を目的に改善を図った場合、指導費用に対して助成金を受け取れる |
50名未満の事業場 |
産業医コース・保健師コース:1事業所につき上限10万円(6ヶ月毎) 直接健康保険産業設備コース:1事業所につき一律10万円 ※支給は2回まで |
産業医や保健師と契約後、「労働者健康安全機構」に申請 |
小規模事業産業医活動助成金|厚生労働省 |
11.職業環境改善計画助成金 |
職場環境改善を目的に、改善を図った場合、指導費用に対して受け取れる |
専門家の指導費用 |
雇用人数の定めなし |
1事業場あたり、上限10万円 ※将来にあたり1回限り |
「労働者健康安全機構」に申請 |
職場環境改善計画助成金|労働者健康安全機構 |
12.人材確保等支援助成金 |
職場環境改善を目的に改善を図った場合、指導費用に対して受け取れる |
機器導入や経費等 |
雇用人数の定めなし |
機器等導入:テレワークに要した経費の3割(1事業者あたり上限100万円) テレワークに要した経費の2割(対象者1人あたり上限20万円) |
「都道府県労働局」に提出 |
人材確保等支援助成金|厚生労働省 |
心の健康に関する助成金2つ
まずは表でご紹介した12の助成金のうち、心の健康に関する助成金を2つご紹介します。
心の健康に関する助成金は「ストレスチェック助成金」「心の健康づくり計画助成金」の2つに分けられます。
1.ストレスチェック助成金:助成対象「50名未満の事業場」
従業員50人未満の事業場にて、従業員のストレスの度合いを把握するために、ストレスチェックが行われます。
「ストレスチェック助成金」とは、ストレスチェックで医師から面接指導を実施した場合、費用の一部が助成金として受けられる制度です。
ストレスチェックの実施と、実施後に医師から面接指導を受けることが助成金を受け取るための要件になっており、助成金は、従業員一人あたり500円、ストレスチェックに携わる医師の1回の活動につき21,500円が上限になっています。
【参考サイト】
令和4年度版「ストレスチェック」実施促進のための助成金の手引
2.心の健康づくり計画助成金:助成対象「雇用人数の定めなし」
心の病気は中々目に見えない問題であり、うつ病や統合失調症など、深刻な問題に発展しやすいからこそ、心の健康づくりへの取り組みが大切といわれています
「心の健康づくり計画助成金」は、企業が各都道府県の産業保健総合支援センターのメンタルヘルス対策促進員の助言・支援に基づき、心の健康づくり計画を作成し、計画に沿った対策を実施した場合、助成金として受けられる制度です。
いくつかの取り組みの要件を満たすことが、助成金を受け取るための要件になっており、助成金は一企業一律10万円、1回限り受けられます。
【参考サイト】
体の健康に関する助成金3つ
仕事をする上で、身体の健康は何より大切です。ここでは、代表的な12の助成金のうち、体の健康に関する3つの助成金制度をご紹介します。
3.治療と仕事の両立支援助成金:助成対象「雇用人数の定めなし」
「治療と仕事の両立支援助成金」は、さまざまな疾病を抱える労働者が治療を受けながら、働くための支援をする助成金制度です。
そもそも、疾病を抱えながら仕事をするということは、業務内容や量によって心身ともに負担が大きくかかります。そういった方でも、治療と仕事を両立でき、生き生きと仕事し続けられるよう、厚生労働省が推進している助成金といえます。
治療と仕事の両立支援助成金を受けるためには、「環境整備コース」「制度活用コース」の2つがあり、それぞれのコースに応じて助成金を受けられます。
・環境整備コース
「治療と仕事の両立支援助成金の環境整備コース」は、事業主が両立支援コーディネーターの配置と両立支援制度の導入を新たに行った場合、助成金を受けられます。
助成対象は、3つの要件のほか、3つの取り組み要件を満たすことが必要です。一法人または一個人事業主あたり一律20万円、1回限りですが、助成金を受けられます。
【参考サイト】
令和4年度版「治療と仕事の両立支援助成金」【環境整備コース】の手引
・制度活用コース
「治療と仕事の両立支援助成金の制度活用コース」は、事業主が両立支援コーディネーターを活用し、両立支援制度を使用した就業上の措置を、対象の労働者に適用した場合、助成金を受けられます。
助成対象・対象事業者や助成金額は、環境整備コースと同様です。
【参考サイト】
令和4年度版「治療と仕事の両立支援助成金」【制度活用コース】の手引
4.受動喫煙防止対策助成金:助成対象「小売業は50名未満の事業場」
「受動喫煙防止対策助成金」は、中小企業事業者が受動喫煙防止策を実施するために、必要な経費のうち、一定の基準を満たす経費に対して助成金を受け取れる制度です。
下記における工費や設備費、備品費、機械装置費などが、助成金対象になっています。
- 喫煙専用室の設置・改修
- 指定たばこ専用喫煙室の設置・改修
助成金は、工費や設備費、備品費、機械装置費の2/3までで、上限額は100万円です。
画像引用:受動喫煙防止対策助成金の手引き
【参考サイト】
5.副業・兼業労働者の健康診断助成金:助成対象「雇用人数の定めなし」
「副業・兼業労働者の健康診断助成金」は、副業・兼業をする労働者に対して一般定期健康診断を実施した場合、助成金を受けられる制度です。
助成対象として、労働保険適用事業場であることが要件であり、2つの取り組み要件を満たすことが必要であり、一般健康診断費用が助成対象になっています。
助成金は、1副業・兼業労働者あたり1回限り、1副業・兼業労働者あたり1万円です。1事業場あたり10万円を上限に、助成金が受けられます。
【参考サイト】
生き生きと仕事をし続けるためには、こころの健康は何より大切です。事業場は従業員の心の健康により意識を向け、助成金制度を活用して、積極的に適切な取り組みをしていきましょう。
多様な働き方に関する助成金3つ
昨今では働き方といっても多種多様になってきており、それぞれの働き方を推進する支援が増えています。
さまざまな働き方を実現・サポートするための助成金制度は、「キャリアアップ助成金」「働き方改革推進支援助成金」「両立支援等助成金」の3つがあります。
6.キャリアアップ助成金:助成対象「小売業は50名以下の事業場」
「キャリアアップ助成金」は、有期雇用労働者、短時間労働者、派遣労働者といった非正規雇用者など、労働者の企業でのキャリアアップの促進に向けて、事業者を正社員化や処遇改善などの取り組みをした場合、助成金を受けられる制度です。
助成金は、雇用保険適用事業場であることに加え、キャリアアップ計画作成・実施、管理者の配置などを試行した場合、受けられます。
助成金はコースに応じて異なりますが、一事業所あたり19〜57万円、労働者一人あたり28,500〜32,000円等の助成金が受け取れます。
【参考サイト】
7.働き方改革推進支援助成金金:助成対象「小売業は50名以下の事業場」
「働き方改革推進支援助成金」は、中小企業が労働時間の短縮や有給休暇の促進に向けた取り組みを行う場合、その費用の一部を助成金として受け取れる制度です。
働く人のニーズは多様化し、政府により働き方改革が推進されているものの、対応が遅れている企業が多い現状があります。
そんな中、生産性向上や労働者のワークライフバランス実現を目的に、働き方改革に取り組もうとする企業にぴったりの助成金制度といえます。
・労働時間短縮・年休促進支援助成金
「労働時間短縮・年休促進支援助成金」は、労働者の時間外労働の削減、年次有給休暇や特別休暇の促進に向けた環境整備をする企業が受け取れる助成金制度です。
労働者災害補償保険の適用事業場であることに加え、他2つの要件を満たした場合、1つ以上の内容に取り組んでいることが助成対象となります。
助成金は以下の通りです。
- 成果目標1~4の上限額および賃金加算額の合計額
- 対象経費の合計額×補助率3/4
【参考サイト】
働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース)
・勤務間インターバルコース
「勤務間インターバルコース」は、勤務終了後から次の勤務までに一定の休暇(インターバル)を設け、労働者の生活時間や睡眠時間を確保、健康促進、過重労働の防止を図る企業のために設けられた助成金制度です。
助成対象は、労働者災害補償保険の適用事業場であることに加え、勤務間インターバル導入や就業規則の整備、時間外労働をしている実態がある事業所などになっています。
助成金は、経費金額の合計額に補助率3/4を乗じた金額が受け取れます。
【参考サイト】
・労働時間適正管理推進コース
「労働時間適正管理推進コース」は、労務・労働時間の適正管理に向けた環境整備に取り組む中小企業を支援するための助成金制度です。
助成対象は、労働者災害補償保険の適用事業場であることに加え、労働管理方法の採用をしていないことや商業規則の整備をしていることなどが要件であり、提示されているうち、1つ以上の内容に取り組むことが助成金を受けるため、必要になります。
助成金は、経費金額の合計額に補助率3/4を乗じた金額または、成果目標達成時の上限額100万円が受け取れます。
【参考サイト】
・団体推進コース
「団体推進コース」は、労務・労働時間の適正管理の推進に向けた環境整備に取り組む中小企業が受け取れる助成金制度です。
労働者災害補償保険の適用事業場であり、1年以上の活動実績がある事業所に対して、以下のいずれか、一番低い金額が支給されます。
- 対象経費の合計額
- 総事業費から収入額を控除した金額
- 上限500万円
【参考サイト】
労働者が希望する働き方を応援できるよう、取り組み内容に合わせたコースを選択し、働き方改革推進支援等助成金を活用していきましょう。
8.両立支援等助成金(2022年度):助成対象「小売業は50名以下の事業場」
仕事と家庭生活どちらも大事にしたいが、仕事や子育てに忙しく、家族との時間がまともにとれず、悩んでいる人も多いでしょう。
「両立支援等助成金」は、仕事と家庭の両立を実現できるよう、また両立を図りたいと考える人が働きやすい環境づくりをする企業が受け取れる助成金制度です。
両立支援等助成金制度には「出生時両立支援コース」「介護離職防止支援コース」「育児休業等支援コース」「不妊治療両立支援コース」「新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置による休暇取得支援コース」の5つがあります。
今回、4つのコースをピックアップし、紹介します。
※参考サイト
・出生時両立支援コース
「出生時両立支援コース」は、男性労働者が育児休業を取得しやすいよう、雇用環境や業務体制の整備を行い、育児取得した男性労働者がいる場合、受け取れる助成金制度です。
助成対象は、中小企業事業主であることに加え、第1種(男性労働者の出生児育児休業取得)と第2種(男性労働者の育児休業取得率上昇)の2つの要件が設けられており、それぞれ以下の助成金を受け取れます。
- 第1種(男性労働者の出生児育児休業取得):20万円
- 第2種(男性労働者の育児休業取得率上昇):20~60万円
【参考サイト】
・介護離職防止支援コース
「介護離職防止支援コース」は、労働者がスムーズに介護休業の取得・復帰に取り組んだ中小企業事業主、介護のための柔軟な就労形態制度を導入した場合、助成金を受け取れる制度です。
助成対象は、中小企業事業主であることに加え、介護休業(休業取得時・職場復帰時)・介護両立支援制度・新型コロナウイルス感染症対応特例の3つの要件が設けられています。
介護休業、介護両立支援制度を利用した場合、28.5万円、新型コロナウイルス感染症対応特例の場合、20〜35万円の助成金が受け取れます。
【参考サイト】
・育児休業支援コース
「育児休業支援コース」は、労働者がスムーズに育児休業の取得・職場復帰に取り組み、育児休業を取得した労働者がいる場合、受け取れる助成金制度です。
助成対象は、中小企業事業主が対象であり、「育児取得時・職場復帰時」「業務代替支援」「職場復帰支援」といったいくつかの要件が設けられています。
助成金は以下の通りです。
- 育児取得時・職場復帰時
28.5万円
- 業務代替支援
新規雇用47.5万円、手当支給等10万円
- 職場復帰後支援
制度導入時28.5万円
制度利用時 A:子の看護休暇制度 1,000円×時間
B:保育サービス費用補助制度 実質の2/3
【参考サイト】
・不妊治療両立支援コース
「不妊治療両立支援コース」は、不妊治療のために利用可能な休暇制度や両立支援を利用しやすい環境整備に取り組み、労働者が利用しやすいよう周知や促進をし、労働者が利用した場合、助成金を受け取れる助成金制度です。
助成対象は、環境整備や休業の取得等や長期休暇の加算をした事業主であり、助成金はどちらの場合も、28.5万円受けられます。
【参考サイト】
労働環境改善に関する助成金4つ
労働環境は仕事をする上での土台となるポイントです。代表的な12の助成金のうち、労働者がその人らしく働ける環境づくりに向けた助成金制度を4つご紹介します。
9.業務改善助成金:助成対象「100人以下の事業場」
「業務改善助成金」は、事業場内の最低賃金を上げ、中小企業と小規模事業者の生産性向上に向け、コンサルティング導入や機械・人材育成・養育訓練などの設備投資を行った場合、その一部の費用に対して助成金を受け取れる制度です。
助成対象は、従業員100名以下の事業場が対象であることに加え、賃金引上げ計画作成や機器・設備導入、人材育成・教育訓練実施など業務改善を行い、支払いを行うことなど、4つの要件があります。
主に、設備投資等にかかった費用に助成率3/4を乗じて算出した金額が支払われます。しかし、引き上げる労働者数に応じて助成上限額が定められています。
(引き上げる労働者:1人30万円、2~3人50万円、4~6人0万円、7人以上100万円)
【参考サイト】
10.小規模事業場産業医活動助成金:助成対象「50名未満の事業場」
「小規模事業場産業医活動助成金」は、労働者50名未満の事業場において、産業医等と契約し、産業医活動等を実施した場合に受け取れる助成金制度です。
産業医コース、保健師コース、直接健康相談環境整備コースの3つに分かれています。
※参考サイト
それぞれのコースに共通して、4つの要件すべてを満たしている場合、助成金を受け取れ、助成対象は、産業医活動に係る契約に基づく実施額と決まっています。
助成金額は、最大60万円(産業医・保健師コース:6ヶ月あたり10万円を上限2回限り、直接健康相談環境整備コースは6ヶ月継続で10万円を2回限り)です。
【参考サイト】
令和4年度版「小規模事業場産業医活動助成金」【産業医コース】の手引
11.職場環境改善計画助成金:助成対象「雇用人数の定めなし」
「職場環境改善計画助成金」は、職場環境改善を目的としており、ストレスチェック実施後の集団分析結果を踏まえ、専門家の指示に基づき、計画書を作成・職場環境改善を行った場合、指導費用の助成金を受け取れる制度です。
助成対象は、労働者を雇用している法人・個人事業主であることなどが要件であり、取り組み要件すべてを満たした場合、専門家の指導費用を助成金として受け取れます。
助成金は、1企業あたり10万円です。
【参考サイト】
令和4年度版「職場環境改善計画助成金」【事業場コース】の手引き
12.人材確保等支援助成金:助成対象「雇用人数の定めなし」
「人材確保等支援助成金」は、事業の雇用管理改善や生産性向上に向けた取り組みを通して、魅力ある職場の定着・社員の職場定着の促進を目的とした場合、受け取れる助成金制度です。
「雇用管理制度助成コース」「介護福祉機器助成コース」「中小企業団体助成コース」「テレワークコース」など、全9種のコースがあります。
どのコースでも、助成金は、1年間の中小企業労働環境向上事業の実施にかかった経費の2/3を受け取れます。9コースのうち、「テレワークコース」「中小企業団体助成コース」の2つについて詳しくみていきましょう。
※参考サイト
・テレワークコース
良質なテレワーク制度を導入・実施することで、労働者の人材確保や雇用管理改善等の観点から効果をあげた中小企業事業が助成対象です。
テレワーク勤務を新規導入する事業主、または試行的に導入する・していた事業主が助成の対象になります。
就業規則・労働協定の作成・変更や外部専門家によるコンサルティング、機器導入や運用、研修施行をした場合、支給経費対象の30%、目標達成助成の場合は支給対象経費の20%が支給されます。
【参考サイト】
・中小企業団体助成コース
「中小企業団体助成コース」は、中小企業を主とする事業協同組合等が、事業者の人材確保や従業員の職場定着を支援するため、事業を行った場合、助成金を受け取れる助成金制度です。
助成対象は、改善計画を作成し、都道府県知事の認定を受けた事業共同組合であることに加え、中小企業のための中小企業労働環境向上事業を行っている事業主になります。
助成金額は、事業にかかった経費の2/3の金額が受け取れます。
【参考サイト】
助成金・補助金を活用でサステナブルな健康経営を実現へ
助成金を活用して健康経営を推進することで、労働者が心身ともに健康な状態で仕事に取り組み、企業における生産性の向上が期待できます。
効率的かつコストを抑えて健康経営を始めるためには、正しく、助成金制度について知り、一歩を踏み出すことが大切です。
労働者の健康維持・向上、生産性の向上に向け、効果的に助成金や補助金を利用し、サステナブルな健康経営を目指しましょう。
以下の資料では、健康経営の基礎から実践事例まで、図や表でわかりやすく解説しています。ぜひ業務にお役立てください。
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助成金なしで健康経営をおこなうには?
助成金があるとはいえ、すぐに健康経営に取り組みづらい企業もあるでしょう。そのような場合は、健康管理システムを導入し、従業員の健康管理をするのがおすすめです。
「mediment(メディメント)」は、人事・労務担当者の大きな負担だった健康管理業務をクラウドで一元化し、業務負担の大幅な削減と従業員のパフォーマンスの向上に貢献するサービスです。
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