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【保存版】健康経営優良法人とは?メリット・認定基準・2024年最新動向まとめ

「健康経営」(企業が従業員の健康を経営的・戦略的に守ること)を実施している企業の評価として、「健康経営優良法人」という認定制度があります。

この記事では「健康経営優良法人制度」の概要と、認定されることによって得られる企業のメリットについて解説します。

また、年度によって変更されることもある認定基準や申請手順などについて、最新情報を含めて確認します。


目次[非表示]

  1. 1.健康経営優良法人とは?企業規模に応じた認定制度
  2. 2.健康経営優良法人の認定を受ける5つのメリット
  3. 3.「健康経営優良法人2024」認定基準から見える2023年の対策とは
  4. 4.「大規模法人部門」の申請手順:「健康経営度調査」とは?
  5. 5.「中小規模法人部門」の申請手順:「健康宣言」事業とは?
  6. 6.健康経営優良法人取得の際の注意点3つ
  7. 7.健康経営優良法人の認定にはメリット多数!早めの申請準備が吉


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健康経営優良法人とは?企業規模に応じた認定制度

「健康経営優良法人制度」とは、優良な健康経営に取り組んでいる企業を顕彰する制度であり、2017年から経済産業省により開始されています。健康経営とは、企業が従業員の健康管理に計画的に取り組んでいることです。


健康経営についてはこちらの記事で詳しくご紹介しています。

  健康経営の目的とは?取り組み事例・メリットや導入効果を徹底解説【図解あり】 健康経営とは、従業員の健康を本人任せではなく「経営的な視点」として捉え、戦略的に実施する取り組みを指します。 本記事では、健康経営とは何か、目的や重要視されるようになった背景から、導入メリットや具体的な導入事例まで、健康経営に関する総合的な知識を整理してご紹介していきます。 mediment(メディメント)


「健康経営優良法人制度」は「健康経営の見える化」が目的であり、従業員や求職者だけでなく、取引先企業や金融機関などから見て「従業員の健康管理を経営的な視点で考え戦略的に取り組んでいる企業」と社会的評価を受けやすい環境を目指しています。

制度は企業規模(従業員数など)に応じて以下の2つに分かれています。

  • 大規模法人部門
  • 中小規模法人部門


(引用:経済産業省『健康経営の推進について』)


上記のイメージ図のように2つの部門においてそれぞれ段階的に認定されており、より上位の法人を評価するホワイト500、ブライト500もあります。

「大規模法人部門」と「中小規模法人部門」の違いを確認し、自社がどちらに該当するのか調べておきましょう。

「大規模法人部門」と「中小規模法人部門」

「健康経営優良法人制度」の2つの区分「大規模法人部門」「中小規模法人部門」は、従業員数や資本金・出資金などで分類されており、自社がどちらに該当するのか事前の確認が必要です。

基準となる従業員数は業種ごとに異なり、以下の図のように区分されています。


引用:経済産業省『部門の区分


基準の従業員数は「常時使用する従業員」とされており、以下のような従業員です。

  • 予め解雇の予告を必要とする者
  • 日雇い労働者
  • 期間を定めて使用される者 など


また以下の従業員が「常時使用する従業員」に含まれない場合でも、健康経営の施策対象者であれば従業員数に含められます。

  • 契約社員
  • パート・アルバイト
  • 他社からの出向者
  • 他社からの派遣社員 など


業種の詳しい分類については、総務省の「日本標準産業分類」をご参照ください。

「大規模法人部門」と「中小規模法人部門」では認定要件が異なりますので、間違えないように気を付けましょう。

さらに優れた大規模法人を認定する「ホワイト500」

「大規模法人部門」の中でも、特に優良な健康経営を実施している上位500社には「ホワイト500」という冠が付与され、会社としての評価が高まります。

認定要件の中で、通常は選択項目である「経営理念(経営者の自覚)」が必須となっています。

「ホワイト500」の認定を受けられれば、企業の大きなイメージアップとなるでしょう。


2021年新設 中小規模法人の上位認定「ブライト500」

同じく「中小規模法人部門」にも企業の意欲を上げるために必要と、2021年に中小規模法人の中で特に優良な上位500社に認定する「ブライト500」が制定されました。

認定要件は、通常の要件に加え「健康経営の取り組みに関する地域への発信状況」と「健康経営の評価項目における適合項目数」が評価の対象となります。

「ブライト500」も「ホワイト500」と同じく、認定は企業に大きく貢献しますので、ぜひ目指していただきたい認定です。


「健康経営銘柄」と「健康経営優良法人」の違い

似通った制度で「健康経営銘柄」があります。言葉が似ているため混同しがちですが、異なる制度ですので、違いを確認しておきましょう。

「健康経営優良法人」の対象が全企業であるのに対し、「健康経営銘柄」の対象企業は東京証券取引所に上場している会社のみです。また、経済産業省だけでなく東京証券取引所と共同で選定が行われます。(以下図参照)


(経済産業省『健康経営優良法人の申請について』参照)

「健康経営銘柄」は、投資家が長期的な企業価値を重視することに着目し、健康経営に優れた企業の将来性を投資家に紹介することから、企業による健康経営を促すことが目的の制度です。

健康経営の「見える化」が目的の「健康経営優良法人制度」とは、区別して認識しておきましょう。


健康経営銘柄については、以下の記事で詳しく解説しています。

  健康経営銘柄の認定入門2022! 用語解説・難易度・選定基準やフローを解説 「健康経営銘柄」とは健康経営にまつわる認定制度の一つですが、健康経営の実務担当者のなかには、その詳細をよく知らないという人も多いはず。本記事では他制度と比較しながら、健康経営銘柄の概要や選定フロー、取得メリットなどを詳しく解説します。 mediment(メディメント)


健康経営優良法人の認定を受ける5つのメリット

「健康経営優良法人」の認定を受けるには、要件を満たすために多大な時間と労力を要します。

それでも企業の間で注目度が上がっているのは、「健康経営優良法人」の認定によって企業にもたらされるメリットが非常に大きいからでしょう。健康経営優良法人に認定されることによるメリットをご紹介します。


メリット1.生産性の向上・社員のモチベーションアップにつながる

「健康経営優良法人」の認定は、企業全体の生産性向上と、社員のモチベーションアップに繋がりやすいです。

認定を受けるためには社内環境を整えることが必要であり、それにより働きやすい職場となることが予想されます。働きやすい環境は社員のモチベーションを上げ、個々の生産性が上がり、企業全体の成長へ繋がるでしょう。


メリット2.企業のブランドイメージや信頼度が向上する

「健康経営優良法人」の認定を受けると経済産業省のホームページに公開され、健康経営に取り組む職場として、企業のブランドイメージを向上させられます。

また専用のロゴマークなどを活用し、自社での広報活動でも「社員のことを第一に考えた働きやすい環境」であることを社会に広く伝えられるようになり、企業としての信頼度は大きく向上するでしょう。


メリット3.人材確保にプラスに作用する

また「健康経営優良法人」の認定は、人材確保にも効果を発揮します。

これから就職する高校生や大学生などのアンケートに、以下のような結果があります。


引用:株式会社日本総合研究所『平成 28 年度健康寿命延伸産業創出推進事業 (健康経営・健康投資普及推進等事業) 調査報告書


上記の結果より、就職したい企業の第一位は「従業員の健康や働き方に配慮している企業」である、つまり「健康経営を実施している企業」だとわかります。

また以下の結果より、7割の人が「健康経営は就職先決定の重要な決め手の一つになる」と回答しています。


引用:株式会社日本総合研究所『平成 28 年度健康寿命延伸産業創出推進事業 (健康経営・健康投資普及推進等事業) 調査報告書


下記の通り、健康経営優良法人への申請数・認定件数がともに制度が始まった2016年度から大きく増えていることから、世の中の関心度が高まっていることも伺えます。

	健康経営優良法人2022(中小規模法人部門)の申請・認定状況

引用:経済産業省「健康経営の推進について」


健康経営を「見える化」した「健康経営優良法人」の認定は、人材確保にも大きく貢献するでしょう。


健康経営優良法人の取得を採用の際にアピールしている企業様の事例もありますので、ぜひご覧ください。

  健康診断受診率が100%に!究極の目標は「従業員が心身ともに健康に働けること」 村中建設株式会社様 mediment(メディメント)


メリット4.融資の優遇や助成金制度がある

基本的に健康経営を実現することは自社のためですが、実は社会的な評価も高くなっています。「健康経営優良法人」に認定された企業に対して、インセンティブを付与する自治体や金融機関が増えています。

自治体による「顕彰制度」も多々あり、広く世間に知ってもらえ、企業の取り組みが隠れた功績とならないことも認定を受けるメリットのひとつです。

(例)

  • 金融機関による融資優遇や保証料の減額・免除
  • 公共工事・入札審査での入札加点
  • 自治体による奨励金や補助金
  • 健康経営をおこなう際に助成金制度を使える など


また、健康経営を実施する際に利用できる助成金制度も複数あります。詳しくはこちらの記事をご覧ください。

  健康経営助成金の条件・対象・金額・申請方法をまとめて整理! 12の助成金まとめ 経済産業省も推進する「健康経営」。従業員の健康投資を行い、企業の生産性向上を目指し、健康経営に取り組む企業が増えているものの、正しい情報をキャッチしづらいと声も多く聞かれます。当記事では、健康経営で受け取れる助成金の概要から申請方法まで解説します。 mediment(メディメント)


メリット5.企業業績の向上や株価アップが期待できる

上記のような様々なメリットにより、「健康経営優良法人」の認定は、企業の業績向上や株価アップへの道筋を作ってくれるでしょう。


「健康経営優良法人2024」認定基準から見える2023年の対策とは

認定によるメリットが大きい「健康経営優良法人制度」ですが、認定にはどのような基準があり、どのような対策が必要なのでしょうか。

最新の情報から今後の対策を読み解きます。

健康経営優良法人の認定で意識するべき5つの基準

「健康経営優良法人」の認定は、以下の5つの要件項目から成り立ちます。


  1. 経営理念・方針
  2. 組織体制
  3. 制度・施策実行
  4. 評価・改善
  5. 法令遵守・リスクマネジメント


これら5項目の細かい内容は「大規模法人部門」と「中小規模法人部門」で異なりますので、自社が該当する部門の要件を確認しましょう。


・「大規模法人」健康経営優良法人2024の認定要件

「大規模法人部門」の認定要件は以下の図にまとめられています。


	【リライト】健康経営銘柄2024(大規模法人部門)認定要件

引用:健康経営銘柄2024選定基準及び健康経営優良法人2024(大規模法人部門)認定要件


5つの項目をさらに細かく分類し、それぞれに要件が設定されており、それらの中から一定数以上を満たす必要があります。

「ホワイト500」については、必要な要件項目数が増える形で区別されています。

・「中小規模法人」健康経営優良法人2024の認定要件

「中小規模法人部門」の認定要件は以下の図にまとめられています。


【リライト】健康経営優良法人2024認定要件

引用:健康経営優良法人2024(中小規模法人部門)認定要件

5つの項目をさらに細かく分けた評価項目の中から、一定数以上を満たす必要があります。

「ブライト500」については、通常の認定要件に加え、「健康経営の取り組みに関する地域への発信状況」と「健康経営の評価項目における適合項目数」が追加されます。

申請から認定までのスケジュール

「健康経営優良法人」の申請から認定までには数か月かかりますし、検討期間も含めると、企業は1年近くの期間を要することになります。スケジュールを確認し、計画的な対応が必要です。

最新の2024年度のスケジュールから、申請から認定までのおおまかな流れを確認しましょう。


  • 8~10月 :健康経営度調査・健康経営優良法人申請受付
  • 10月~2月:審査期間
  • 2月   :内定
  • 3月   :健康経営銘柄・健康経営優良法人の発表


	【リライト】健康経営2024スケジュール

引用:ACTION!健康経営


「健康経営優良法人2024」の認定基準発表はいつ?

2024年度の健康経営優良法人の申請は、8月21日から受付が開始されました。終了日は大規模法人部門は10月13日17時まで、中小規模法人部門は10月20日17時までです。

詳しくは以下のサイトをご確認ください。

ACTION!健康経営


「大規模法人部門」の申請手順:「健康経営度調査」とは?


「健康経営優良法人」の認定を受けるためには事前の準備が必要ですが、「大規模法人部門」と「中小模法人部門」では申請手順が異なります。

「大規模法人部門」の申請手順は以下の流れです。


  1. 「健康経営度調査」に回答
  2. 評価結果(フィードバックシート)を受けとり、基準が適合していれば申請
  3. 健康経営優良法人認定委員会による審査
  4. 日本健康会議による認定


最初に行う「健康経営度調査」とは、法人の健康経営の取り組み状況と経年での変化を分析するための調査です。健康経営優良法人(大規模法人部門)だけでなく、健康経営銘柄の認定にも活用されている調査です。

「健康経営度調査」の評価結果(フィードバックシード)は、適合の可否だけでなく、健康経営の取り組み改善についてなど重要な情報が整理されておりますので、自社の健康経営において上手に活用しましょう。


健康経営度調査については、以下の記事で詳しく解説しています。

  健康経営度調査とは? フィードバックシート活用方法や2022申請手順を解説 2014年より経済産業省で実施されており、健康経営を取り組み始めた企業にとって、自社の健康経営を見直す機会として注目されている「健康経営度調査」。 当記事では、多くの企業が気になる問題「健康経営度調査」の概要のほか、認定・申請手順のほか、フィードバックシート活用法などを解説します。 mediment(メディメント)


「中小規模法人部門」の申請手順:「健康宣言」事業とは?

「中小規模法人部門」の申請手順は以下の流れです。


  1. 「健康宣言」事業の参加もしくは実施
  2. 認定申請書に回答し申請
  3. 対象に該当すればエビデンス調査の対応
  4. 健康経営優良法人認定委員会による審査
  5. 日本健康会議による認定


参加もしくは実施が必要な「健康宣言」事業とは、従業員の予防・健康づくりに取り組む旨を、事業所や組織自らが宣言することです。

中小規模法人部門の認定には、「健康宣言」事業の参加が要件とされています。

基本的には事業者の加入する保険者または自治体が実施している「健康宣言」事業への参加ですが、もしどちらも実施されていなければ、自社独自の宣言で代替されることになっています。

「健康宣言」事業の参加・実施は申請前に必要な取り組みですので、はやめに取り掛かりましょう。


健康宣言については、以下の記事で詳しく解説しています。

  「健康宣言」とは? 取り組むメリット・宣言前後に行う全体の流れを解説 健康経営優良法人に認定されるために必須となる「健康宣言」。しかし健康宣言とは何か、詳しく知らない人事労務(健康づくり)の担当者も多いはず。本記事では用語解説をはじめ、健康宣言を行うメリット、全体の流れ、宣言手順などを詳しく解説します。 mediment(メディメント)


健康経営優良法人取得の際の注意点3つ

認定を受けるとメリットの多い健康経営優良法人ですが、取得の際の注意点が3つあります。

  1. 毎年更新する必要がある
  2. 申請の手間と時間がかかる
  3. 全社で取り組む必要がある

注意点とはいえ、事前にしっかり準備をしていれば問題ないことばかりですので、ご安心ください。


注意点1.毎年更新する必要がある

健康経営優良法人の認定期間は1年で、認定が発表された3月から翌年の3月31日までです。
そのため、認定を受け続けるためには、毎年申請をする必要があります。
ただ、毎年申請をおこなっていれば社内で知見を蓄積できますし、電子申請が可能ですので、大きな手間はかからないでしょう。


注意点2.申請の手間と時間がかかる

先の見出しで述べたように、健康経営優良法人への申請は、健康宣言から日本健康会議による認定まで、必要な項目が多いです。
健康経営への知識が求められる場面もありますが、心配な際は加入している協会けんぽなどに相談することでアドバイスをしてもらえるでしょう。


以下は、健康経営優良法人の取得にmedimentをご活用いただいている事例になります。受診勧奨をデータで残せるなど健康管理システムの導入は業務効率化にも有効です。

  再検査の対象者が一目瞭然で受診率アップ!健康経営優良法人の取得にも寄与 小豆島ヘルシーランド株式会社様 mediment(メディメント)


注意点3.全社で取り組む必要がある

健康経営優良法人の取得には、喫煙率低下や運動機会の増進の取り組みも含まれており、担当者や経営陣だけでなく、全社的に取り組むことが必要不可欠です。

従業員に協力してもらう必要がありますので、強制的な実施はしない、従業員のためになる施策を考えるなど、工夫するといいでしょう。

「自分の体のことなんだからほっといてほしい」と思う従業員もいるかもしれませんので、定期的な健康情報の発信も、従業員一人ひとりの意識を変えるためには重要です。

長い期間を要しますが、「従業員の健康」は企業にも従業員自身にとっても良いことばかりですので、地道に取り組みましょう。



健康経営優良法人の認定にはメリット多数!早めの申請準備が吉

「健康経営優良法人制度」について、メリットや、認定基準・申請手順などについて解説しました。

「健康経営優良法人」に認定されることは、経営の大きな土台となり、企業の成長に大きく貢献します。ぜひ、積極的に取り組みましょう。

申請には取り組むことが多く時間がかかりますので、早めの準備をおすすめします。



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mediment(メディメント)は、従業員のあらゆる健康データを一元管理し、産業保健業務の効率化を支援するクラウドシステムです。 クラウドシステムならではの多彩な機能で、あらゆる業務のペーパーレス化を実現し、従業員のパフォーマンス向上に貢献します。

監修者情報

三浦 那美(メディフォン株式会社産業看護師/第一種衛生管理者)

看護師として大学病院の内科混合病院にて心疾患や糖尿病、膠原病などの患者対応業務に従事。その後、看護師問診や海外赴任向けの予防接種を行っているクリニックに転職。これら医療機関での経験を通じ、予防医療やグローバルな医療提供の重要性を感じ、メディフォンに入社。現在は、産業看護師として健康管理システム「mediment」のオペレーション業務やコンテンツ企画を担当。

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