【テンプレート有り】安全衛生委員会の議事録作成のポイントと取り扱いを解説!
安全衛生委員会の開催時は、議事録の作成が義務づけられています。しかし、議事録の作成方法がわからない、テンプレートが欲しいという担当者の方も多いのではないでしょうか。
この記事では人事・労務担当者に向けて議事録の作成方法と取り扱いについて説明しています。
目次[非表示]
安全衛生委員会の議事録とは?役割や目的を整理
安全衛生委員会の議事録作成には下記のような役割や目的があります。
- 議事録の作成と3年間の保存が義務づけられている(労働安全衛生規則第23条4項)
- 労働基準監督署の臨検(立ち入り検査)の時に3年分の議事録の提出を求められ、チェックされる
- 話し合った内容を労働者へ周知しなければならないと定められている(労働安全衛生規則第23条3項)
- 安全衛生委員会で議論するテーマの重複を避けられる
- 産業医の訪問が2ヶ月に1回の場合、後から内容を確認してもらえる
- 委員会を欠席、参加しないメンバーへの情報提供に役立つ
産業医が専任ではなく、訪問が2ヵ月に1回の企業の場合は、産業医が後から内容を確認するために議事録は不可欠です。
また、議事録の作成は法律にて定められている義務だけではなく、テーマの重複を避けられる、委員会を欠席、参加しないメンバーへの情報提供ができるというプラスの効果があります。
安全衛生委員会は、衛生委員会と安全委員会を統合したものです。
衛生委員会の基本や運営方法については、以下のお役立ち資料で詳しくご紹介しています。
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安全衛生委員会の議事録:基本構成5つのポイント
安全衛生委員会の議事録を作成する際に押さえておきたい、基本となる5つのポイントについて解説します。
議事録は作成しなければならないと定められているものの、内容については、安全衛生規則第23条4項には、「委員会の意見及び当該意見を踏まえて講じた措置の内容」と「重要なもの」と記載されているのみです。記載内容の詳細までは決められていません。
よって、これから説明する5つのポイントを踏まえて議事録を作成するとわかりやすくなるでしょう。
1.開催日時と開催場所
安全衛生委員会は、月に1回開催していることを示すため、開催日時は必ず記載しましょう。
労働安全衛生法に基づき、安全衛生委員会は一定の規模の事業場では月1回開催しなければならないと決められています。
実際にかかった時間や利用した場所については、運営状況を振り返って委員会をより向上させるために必要な情報ですので必ず記載します。
次回の開催日時・場所についても記載しておきましょう。
2.出席者の名前と役職
安全衛生委員会の出席者と役職は必ず記載しましょう。
役職を記載する理由は、議長を除く構成メンバーは半数が「使用者側(企業)」、もう半数が「労働者側」でなければならないと定められているからです。
一般的に課長以上は使用者側とされます。役職を記載することで、出席したメンバーの使用者・労働者の割合が適切であったことを議事録で示せます。
3.報告事項
安全衛生に関して、委員会で話し合われた事項をまとめて記載しましょう。
報告事項については、毎回の議題によって変わりますが、下記に【毎月報告した方がいい内容】と【必要に応じて報告した方がいい内容】を記載していますので参考にしてみてください。
前月の活動報告をすると、労働安全衛生に関する活動が実際に行われていることを示せます。また、大きな変化があった場合、すぐに気づいて原因の究明に取りかかれるというメリットがあります。
【毎月報告した方がいい内容】
- 本年の目標、スローガンの確認
- 前月に行った安全衛生活動の結果報告
- 前月の安全衛生の成績を報告する(労働災害・通勤災害の件数など)
- 前月発生した労災・通災についての報告をする(発生した内容・対応方法など)
【必要に応じて報告した方がいい内容】
- 開催日までに発生した災害がある場合は報告する
- 実施予定の点検や監査のスケジュールがある場合は報告する
上記に記載した項目以外にも、月ごとに必要な内容を報告します。
例えば健康診断やストレスチェック、産業医面談のあった月であれば、実施の時期や対象人数、受診・受検率、面談の内容や人数などを報告し、記録しておきましょう。
4.議長のコメント
委員会の最後に、議長からまとめのコメントをしてもらうようにすると良いでしょう。議長は安全衛生委員会において、中立的な立場を取り、「使用者(企業側)」「労働者側」の各参加メンバーの積極的な意見を促し、まとめていくリーダー的な役割を担います。
議長のコメントは委員会の内容をまとめたものになり、議事録作成のポイントとなりますので必ず記載しましょう。
5.産業医からのアドバイス
産業医からも必要に応じてコメントをもらうと良いでしょう。産業医が常勤でない場合もありますので、産業医の出席義務はありません。
しかし、基本的には出席が望ましいです。出席した場合は、医学的な専門家の立場からアドバイスしてもらえるので参考になります。
もし産業医が出席できない場合は、議事録を確認してもらいましょう。
委員会に参加していないメンバーは、議事録から内容を把握し、自分自身の意識向上や職場改善に繋げなければなりません。
議事録には、データや決定事項だけでなく、産業医からのコメントを記載するとわかりやすい内容になり、今後の委員会の活性化と職場環境の改善に活かせます。
安全衛生委員会の議事録:取り扱い方法
労働安全衛生規則 第23条3、4項にて、議事録の周知と保管方法について定められています。実際にどのように周知し、保管するのかを解説します。
周知の方法
労働安全規則第23条3項により、労働安全衛生委員会では透明性を確保するため、話し合った項目を従業員に滞りなく周知しなければなりません。
周知の方法については、以下の方法がありますので企業に合った方法で周知を行いましょう。
- 事業場内の見やすい場所などに掲示する
- 従業員に書面を交付する
- 社内SNS(イントラネット)で公開・共有する
- 社内メールにて送付する
- 社内掲示板へ掲載する
また、小規模の事業所であれば、従業員全員で議事録の読み合わせを行うのも効果的です。
保管方法
労働安全衛生規則第24条4項により、議事録は、3年間の保存が義務づけられています。
保管方法は書面でも電子データのどちらでもかまいません。書面で保管する場合は1年ごとにフォルダに分けて管理するとわかりやすいです。
議事録は労働基準監督署の臨検の際に3年分の提出を求められ、確認されますので適切に保管しておきましょう。
なお、議事録を3年以上保管しても問題ありません。あやまって3年間経っていない議事録を破棄してしまわないように注意してください。
労基署の臨検については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひご一読ください。
安全衛生委員会の議事録のテンプレート
こちらから議事録のテンプレートがダウンロードできますのでぜひご活用ください。議事録の記入例もありますので、実際の議事録の完成イメージが湧きやすいでしょう。
【テンプレートイメージ】
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【記入例イメージ】
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安全衛生委員会の議事録:テンプレートで作成&周知・保管の徹底を
安全衛生委員会の議事録の作成方法と取り扱いについて説明しました。議事録を作成する際には、テンプレートを利用して作成すると効率的です。テンプレートを元に作成者が使いやすいようにアレンジして使用しても良いでしょう。
議事録は、作成して終わりではありません。従業員への周知を徹底し、今後の安全衛生委員会の活性化に繋げましょう。
安全衛生委員会の活性化は、職場環境の改善や従業員の意識向上に役立ちます。また、労働基準監督署の臨検の際には、3年分の記録を確認されますので適切に保管し、臨検に備えましょう。
安全衛生委員会は、衛生委員会と安全委員会を統合したものです。
衛生委員会の基本や運営方法については、以下のお役立ち資料で詳しくご紹介しています。
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