企業のメンタルヘルス対応に役立つ資格3選!人事労務担当者として学ぶ利点は?
メンタルヘルス対応の資格はさまざまありますが、企業内の業務において役に立つ資格はあるのでしょうか?また一から学び取得できるのでしょうか?
人事労務担当者が今からでも取得でき、かつ企業内で有用なメンタルヘルス対応の資格をご紹介します。
メンタルヘルス対策に役立つ資格については、以下の資料でもご紹介しておりますので、ぜひ業務にお役立てください。
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人事労務担当者が資格をとる5つの利点
メンタルヘルス資格が企業内で実際に役に立つのか不安な人も多いかもしれません。まずはメンタルヘルスの資格を取るメリットをご紹介します。
「資格」として明確な知識を付けることはさまざまな利点があり、業務において非常に有用です。
利点①窓口としての信頼性がアップする
明確な「資格名」を持つことで、メンタルヘルス対応の窓口担当者としての信頼性が上がります。
相談を希望した従業員は、対応する担当者に資格があるとわかれば、専門の知識をもとに対応してくれるとわかり安心するでしょう。
また対応業務の中で上層部に提案をする際など、資格があれば説得力があがりスムーズに進むことが期待できます。
利点②不調者の対応においてフォローができる
資格取得によって正しい知識があれば、メンタルヘルス不調者への直接的なフォローが可能になります。
メンタルヘルス不調者はとてもデリケートな状態であり、かけられた言葉ひとつでその後の回復が変わる場合もあります。正しい知識に沿った対応の仕方、伝え方などの工夫によって、不調者の負担を大きく減らせるでしょう。
利点③担当者本人の負担が減る
また、正しい知識は対応する担当者本人の負担減少にも繋がります。
知識によって対応方法の迷いや「無意識に傷つけていないか?」などの不安も減り、担当者の心の負担も軽減に期待できます。
利点④早期発見が可能になる
メンタルヘルス不調についての知識があれば、不調者の早期発見も可能になります。
メンタルヘルス不調者の早期発見は回復をはやめるだけでなく予防にも効果があり、企業全体としての大きなメリットになるでしょう。
利点⑤産業保健スタッフとの連携が図りやすくなる
資格取得により専門用語や詳しい知識を学ぶことで、専門職である産業保健スタッフとの連携がとりやすくなります。
メンタルヘルスの窓口となる人事労務担当者は、産業保健スタッフ(産業医、労働衛生コンサルタント、衛生管理者など)と話をする機会が多いです。
専門的な知識の習得により産業保健スタッフとの難しい会話もスムーズになり、双方の理解度もグッと上がるでしょう。
今からでも取得しやすいメンタルヘルスの資格3選
人事労務担当者としてメンタルヘルス資格の取得は大変有用です。では、難しい受験資格などがなく今からでも取得できる資格はあるのでしょうか?
通常の仕事をしながらでも取得が可能であり、かつ企業内のメンタルヘルス対応に実践的に役立つ資格を3つご紹介します。
産業カウンセラー
「産業カウンセラー」は民間の心理学関連の中でも特に知名度が高い資格です。
心理学的手法を用いて、働く人たちが抱える問題を自らの力で解決できるように援助する、労働者の心のケアが主な役割です。
運営 |
一般社団法人日本産業カウンセラー協会(民間資格) |
受験資格 |
協会が主催する専門講座を受講(6カ月or10か月)or 大学や大学院の心理系学部や学科を修了しているなど |
学習方法 |
協会が主催する専用講座(費用約30万円) |
試験 |
学科試験(マークシート)+実技試験(面接ロールプレイング) |
費用 |
講座費用約30万円 学科試験10,800円 実技試験21,600円 登録料7,000円 (「産業カウンセラー試験」2022年12月情報) |
心理系の学校を卒業していない人は、協会が主催する専用講座を受講する必要があります。費用は高く期間も長いですが、実践に近い知識の習得が可能です。
産業カウンセラーは、期間と費用を惜しまず、実務的な内容を習得したい人、知名度の高い資格名がほしい人に向いています。
メンタルヘルス・マネジメント®検定
「メンタルヘルス・マネジメント®検定」は、厚生労働省が策定する「労働者の心の健康の保持増進のための指針」を基準に、大阪商工会議所が運営している資格です。
労働者の心の不調の未然防止と活力ある職場づくりを目指して、職場内での役割に応じて必要なメンタルヘルスケアに関する知識や対処方法が習得できます。
職場内の役割は、Ⅰ種(人事労務管理スタッフ・経営者向け)Ⅱ種(管理職向け)Ⅲ種(一般社員・新入社員向け)の3種類に分けられています。
運営 |
大阪商工会議所(民間資格) |
受験資格 |
特になし |
学習方法 |
大阪商工会議所の講座(web講座あり)、公式テキストでの独学、民間の講座もあり |
試験 |
マークシート+Ⅰ種は論述 「公開試験」(統一試験日に全国15都市で実施)or「団体特別試験」(企業などが任意に試験の日時・場所を設定し実施) |
費用 |
公式テキスト2,200~4,730円 大阪商工会議所の講座6,050~55,000円 公開試験の受験料Ⅰ種11,550円 Ⅱ種7,480円 Ⅲ種5,280円(税込) (「メンタルヘルス・マネジメント®検定」2022年12月情報) |
必要な受験資格もなく、安価に独学でも取得可能な取り組みやすい資格です。
ただし「人事労務管理スタッフ・経営者向け」のⅠ種は合格率20%前後しかなく、難易度が高いです。運営社だけでなく民間企業が開催する講座もありますので、不安な人は活用を検討しましょう。
メンタルヘルス・マネジメント®検定は、職場内でのメンタルヘルス担当者としての専門性が必要で、厚生労働省の政策に沿った知識を学びたい方におすすめです。
ケアストレスカウンセラー
「ケアストレスカウンセラー」とは、企業内に限らず、メンタル疾患の疑いのある方への対応やメンタル疾患予防の啓発など、こころのケアができる人材の育成を目指す資格です。
青少年、高齢者、企業中間管理職など対象ごとに専門性を追求した追加資格もあり、将来的に企業内での活用についても学べます。
運営 |
一般財団法人職業技能振興会(民間資格) |
受験資格 |
18歳以上 |
学習方法 |
公式テキストでの独学、民間の通信講座もあり |
試験 |
全国にある会場でCBT形式(コンピュータを使った試験方式) |
費用 |
受験料10,000円 認定登録料5,000円 公式テキスト2,640円(税込) (「ケアストレスカウンセラー」2022年12月情報) |
年齢以外の特別な受験資格もなく、また試験会場も全国各地にたくさんあり、受験しやすい資格です。
ケアストレスカウンセラーの最大の魅力は、資格取得後に、実践に近いカウンセリング業務を実務研修として学べることです。
メンタルヘルス不調者の不安定な心理に寄り添い、実践に近い形の知識を習得したい方におすすめです。
▼メンタルヘルスケアについては、メンタル士心理カウンセラー®資格認定試験のページも参考にしてみてください。
今からでも遅くない!メンタルヘルス資格の取得は必ず役に立つ
企業内でのメンタルヘルス不調者の増加は、近年において大きな社会問題となりつつあり、企業の対応は必要不可欠となっています。
その中でも主に担当する人事労務担当者には専門の知識が必要であり、資格の取得は業務において非常に有用です。
資格は民間資格がほとんどで、種類も多様にありますので、ご自身の立場と状況を考慮して資格を選び、取得を目指しましょう。
資格取得の勉強は大変ですが、取得後は人事労務担当者の負担も減少し、さらには企業に大きく役立つ存在となるでしょう。
メンタルヘルス対策に役立つ資格については、以下の資料でもご紹介しておりますので、ぜひ業務にお役立てください。
>>>資料ダウンロード(無料)はこちら:人事労務がもっておきたいメンタルヘルスの資格