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企業がやるべき「過労死対策」とは?具体策や事例も含めて紹介

資料ダウンロード:労働安全衛生法を担当者目線で理解するー企業が取り組むべきこととは

  資料DL_「労働安全衛生法」の要点を わかりやすく解説 事業場の規模や業種に応じて設置が義務付けられている委員会・役職についてや、2019年に行われた法改正での内容の変化についても紹介しています。 mediment(メディメント)


近年、多くの過労死が労働災害として認定されており、過労死ゼロの取り組みが企業にとって大きな課題となっています。本記事では、過労死ゼロの職場にするために、企業として取り組むべき対策を事例も含めてご紹介します。


目次[非表示]

  1. 1.過労死等とは?
  2. 2.過労死等を引き起こしかねない原因
  3. 3.企業が取り組むべき過労死対策
  4. 4.過労死対策をおこなった具体的事例
  5. 5.過労死対策に取り組み活性化のある職場づくりを


過労死等とは?

近年、過労死等が多発し大きな社会問題となっています。過労死等は、本人はもちろんその家族や社会にとっても大きな損失といえるでしょう。

過労死等を防止する対策を推進し、過労死等がなく仕事と生活を調和させ、健康で充実して働き続けることのできる社会を目指し施行されたのが「過労死等防止対策推進法」です。

「過労死等」とは、以下の3つに定義されています。

  • 業務における過重な負荷による脳血管疾患・心臓疾患を原因とする死亡
  • 業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺による死亡
  • 死亡には至らないが、これらの脳血管疾患・心臓疾患、精神障害のこと


過労死等を引き起こしかねない原因

過労死等を引き起こしかねない原因は以下の3つです。

  • 過重労働
  • メンタルヘルス不調
  • 職場でのハラスメント

それぞれ詳しくご紹介します。


①過重労働

労働基準法では1日8時間、1週間40時間と労働時間の上限が決められています。

また、週1日または4週間に4日以上の休日を労働者に付与しなければいけません。過重労働の基準になるのは時間外・休日労働が、以下の基準値に当てはまった場合を指します。

  • 月100時間
  • 2カ月〜6カ月平均で月80時間

上記の状況になると、脳卒中や心臓病など健康を害するリスクが高くなったり、疲労が蓄積され、仕事中の集中力が落ちてケガにつながったりするおそれがあります。


②メンタルヘルス不調

厚生労働省の「仕事や職場での生活のストレス」に関する調査によると、強いストレスや不安を感じる労働者の割合は54.2%となっています。ストレスだと感じる内容は、仕事の量が最も多いという結果が出ています。

仕事の量が多いと労働時間が長くなり、過重労働につながって、結果メンタルヘルス不調になってしまう可能性が高くなるでしょう。職場環境におけるメンタルヘルス不調が原因で精神疾患を患い、過労死に至る場合があります。


③職場でのハラスメント

職場でのハラスメントには主に3つあります。

  • パワーハラスメント
  • セクシャルハラスメント
  • 妊娠・出産・育児休業等のハラスメント

これらのハラスメントが原因で体調を崩し、病気を発症したり精神的苦痛を味わったりして過労死につながるケースもあります。


企業が取り組むべき過労死対策

過労死ゼロを目指すため、企業が取り組むべき具体策をご紹介します。


長時間労働の削減

時間外労働・休日労働に関する協定(36協定)では、時間外労働の上限は原則として、月45時間・年360時間となっています。臨時的な事情があって労働者との合意があったとしても、以下を守らなければいけません。

  • 時間外労働が年720時間以内
  • 時間外と休日労働の合計が月100時間未満
  • 時間外と休日の労働の合計について、2カ月から6カ月を平均して1カ月あたり80時間以内
  • 時間外労働が月45時間を超えることができるのは、年6カ月が限度

健康障害防止のため、労働時間を適正に把握し長時間労働を削減するよう努めましょう。


有給休暇の取得率アップ

労働者ごとに年次有給休暇の取得状況を把握しましょう。年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対して、年5日については会社が時期を指定し取得させることが必要です。

特に、年次有給休暇の取得日数が0日の労働者の解消に向けた取り組みを推進しましょう。会社は、労働者がワークライフバランスの取れた働き方ができるよう、取得しやすい職場環境をつくり、有給休暇の取得率アップを目指しましょう。


勤務間インターバル制度の導入

勤務間インターバル制度とは、終業時刻から翌日の始業時刻までの間に一定時間以上の休息時間を設ける制度です。

	過労死対策 画像

          厚生労働省「勤務間インターバル制度をご活用ください」より引用


勤務間インターバル制度は、」働く人の生活時間や睡眠時間を確保し、健康な生活を送るために有効な制度です。健康保持や過重労働防止のため、2019年4月から導入が努力義務となりました。

また導入するにあたり、働き方改革推進助成金もあります。中小企業は条件に該当すると支給対象となります。

※詳しくはこちら【働き方改革推進支援助成金(勤務間インターバル導入コース)】


ストレスチェックの実施

常時50人以上の労働者がいる事業場では、常時使用する労働者に対し1年以内に1回定期的にストレスチェックを実施しなければいけません。ストレスチェックにより、本人に結果を通知して自らのストレス状況について気づきを促したり、個人のメンタルヘルス不調のリスクを低減させたりすることが期待できます。

また、検査結果を集団的に分析し、職場環境の改善につなげることで、労働者がメンタルヘルス不調に陥るのを未然に防止できるでしょう。

>>>ストレスチェックについて解説している記事はこちら

  ストレスチェック制度完全マニュアル~概要から実施方法まで徹底解説~ 2015年12月より、労働安全衛生法第66条の10に基づいて、一定規模を超える事業場に対して、ストレスチェックの実施が義務付けられました。 この記事では、ストレスチェック制度の概要や、実施マニュアルにのっとったストレスチェックの実施方法を解説していきます。 mediment(メディメント)



定期健康診断の実施

企業は常時使用する労働者に対し、事業場の規模にかかわりなく1年以内に1回定期的に健康診断を実施しなければいけません。(業務により6カ月以内に1回)

過労死等に結びつきやすい高血圧や糖尿病など、ハイリスクな持病を持つ労働者に対しては特に注意が必要です。健康診断で異常の所見があった労働者に対しては、必ず再検査を受けるよう促し、医師の意見を聞きながら必要な事後措置を講じましょう。

>>>定期健康診断について解説している記事はこちら

  定期健康診断の対象者・項目・費用・報告書の提出義務などを徹底解説 定期健康診断は、常時使用する労働者に対して1年以内ごとに1回の実施が義務です。本記事では「実施日や報告書の提出はいつか」「対象者は誰か」など定期健康診断にまつわる疑問を解決します。検査項目や費用についても解説しているので参考にしてください。 mediment(メディメント)


相談窓口の設置

企業は、労働者が相談したすい環境を作ることが必要です。相談窓口を設置する際には、上司や同僚など、第三者に知られないように配慮してください。

電話やメールで相談できるなどの相談方法を設けたり、外部に相談窓口を設置したりして工夫できるでしょう。


産業医との連携

上司や同僚なども労働者の不調の兆候に気づき、産業医につなげられる体制づくりも重要です。また健康診断の実施など、健康管理に対しても徹底し産業医との連携をおこない早期に問題に対処していきましょう。

常時50人未満の労働者を使用する事業場では産業医を選任する義務がないため、地域保健センターを活用し労働者の健康管理をおこなってください。


職場のハラスメント対策

令和2年6月1日から、事業の規模にかかわりなく職場のハラスメント対策を行うことが、企業の義務となりました。

ハラスメントの予防から再発防止に至るまでの防止対策に取り組む必要があります。対策として、以下の点を考慮すべきでしょう。

  • ハラスメントは全従業員が取り組むべき重要な問題であることを会社のトップがメッセージとして発信する
  • 就業規則にハラスメントについてのルールを記載する
  • 会社としてアンケートなどを実施し、実態を把握する
  • 予防するため労働者にハラスメントについての教育をする
  • ハラスメント防止の取り組みを周知する
  • 相談窓口を設置する

企業は一連の防止対策に取り組み、職場でのハラスメントを防止しましょう。


過労死対策をおこなった具体的事例

過労死対策を実際におこなった企業の具体的な事例をご紹介します。


多様な人財の活躍を進めるため「働き方改革」を実施【味の素株式会社】

味の素株式会社では「一人ひとりの成長と企業の断続的な発展を通じて、企業を構成する全ての従業員の豊かで実りある人生の実現と社会の繁栄に貢献する」ことをコンセプトに、具現化するためトップのメッセージを発信し、労働者のワークライフバランスに取り組んでいます。

具体的にはコアタイムの廃止、スーパーフレックスタイムの導入、時間単位有給休暇、在宅勤務制度などを導入し取り組みを進めています。

また労働時間等を計画、振り返れるツール「働き方計画」を導入し、労働者が自分の労働時間を客観的に把握できるような工夫も。結果、労働者自身が労働時間への感度が高まり、年次有給休暇取得日数の増加にもつながっています。


勤務間インターバル制度の導入【ユニ・チャーム株式会社】

近年の労働環境や社会環境の変化の中で、働いた時間が成果を生むという時間が変わりつつあり、「価値=時間」という等式が成り立たなくなってきました。

そこでユニ・チャーム株式会社では、「社員一人ひとりが健康でいきいきと活躍できる会社を作る」ことを目的に、働き方改革として、勤務間インターバル制度を導入しました。全社員を対象に、最低8時間以上・努力義務として10時間というインターバル時間を想定。

インターバル時間は就業規則にも記載し、守らなければ違反になるなどインターバル制度を強化し、社員の意識も高めています。

勤務間インターバル制度の導入を通して、働き方改革のポイントである「仕事が終われば年次有給休暇を取り、体と心を休めてエネルギーを確保・充電し働くメリハリをつける」。そのような環境が当たり前になるように、改革を進めています。


適正な労働時間管理・健康への取り組みを実施【株式会社三越伊勢丹ホールディングス】

株式会社三越伊勢丹ホールディングスは、従業員一人ひとりが持てる能力を最大限に発揮し、雇用形態にかかわらず安心して働ける職場環境の整備が必要であると考え、適正な労働時間管理に取り組んでいます。

各社の特性に合わせた個別の労働時間管理ハンドブックを発刊し、勤務間インターバル規制をグループ主要会社で強化または導入しました。

環境面では、PCの自動シャットダウンシステムの導入、産業医面談の予約や面談結果のフィードバックに管理職を必ず通すフローの整備を実施しています。

また、営業時間を短縮するなど、疲労感を低減する営業条件も整備しました。健康保険組合、労働組合、共済会と連携し、戦略的に健康経営に取り組んでいます。

ストレスチェックによる継続的な職場環境改善や、オリジナルストレッチ体操の実施など、従業員の心身の健康維持・増進に積極的に取り組むことに努めています。


過労死対策に取り組み活性化のある職場づくりを

企業として過労死防止するため、働き方の見直しや労働時間の管理の徹底、長時間労働の削減などの実施はとても重要です。

過労死対策をおこない、過労死を未然に防ぐことは労働者の心身の健康とその家族を守ることにつながります。

快適な職場づくりのため、過労死等防止対策に積極的に取り組みましょう。


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