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管理職必見!メンタルヘルス対応について管理職向け研修を含め徹底解説

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近年、労働者の受けるストレスは拡大する傾向にあり、仕事に関して強い不安やストレスを感じている労働者が6割を超えています。

また、業務による心理的負荷を原因とした精神障害などの発症も増加しているため、従業員のメンタルヘルス対策が非常に重要です。

そこで本記事では、管理職にある立場の人がメンタルヘルス対策をどのように部下に行えるか詳しく解説します。


目次[非表示]

  1. 1.職場でのメンタルヘルス対策の重要性
  2. 2.メンタルヘルス対策を行う上での管理職の役割
  3. 3.管理職が行う「ラインによるケア」とは?
  4. 4.管理職が見落としてはいけない部下の「メンタルヘルス不調サイン」とは?
  5. 5.管理職が部下のメンタルヘルス不調に気づいたらできる4つの対応
  6. 6.メンタルヘルス対策をするための管理職対象の研修について
  7. 7.管理職による部下のメンタルヘルスケアを大切にし活気ある職場づくりを


職場でのメンタルヘルス対策の重要性

メンタルヘルスとは体の健康ではなく、心の健康状態を意味しています。「心が軽い」「穏やかな気持ち」「やる気が湧いてくるような気持ち」などのときは、心が健康な状態といえるでしょう。

しかし、仕事や職業生活に関することで強い不安や悩み、ストレスを感じている労働者の割合は、2020年(令和2年)の時点で54.2%と半数を超えているのが現状です。

メンタルヘルス 管理職(1)

引用:厚生労働省「職場におけるメンタルヘルス対策の状況」


また、ストレスを感じる原因に関する調査では以下のような結果が出ています。

	メンタルヘルス 管理職(2)

引用:厚生労働省「職場におけるメンタルヘルス対策の状況」


上記の画像からもわかるように、「仕事の量・質」が最も多く、ついで「仕事の失敗、責任の発生」そして「対人関係(セクハラ・パワハラを含む)」と、仕事や職場関係でのストレスが多くなっています。

ストレスをそのまま放置しておくとメンタルヘルス不調を抱えるリスクが上がり、以下のような病気になる可能性も。


  • 一日中気分が落ち込んでいて何をしても楽しめないという精神症状とともに、眠れない、食欲がない、疲れやすいなどの身体的症状が現れ、日常生活に大きな支障を及ぼす「うつ病」
  • 寝つきが悪い、眠りの途中で目が覚める、早朝に目が覚めて二度寝ができないなどの「不眠症」
  • 日常生活でのできごとにうまく対応できず、心身のバランスが崩れて社会生活に支障が出る「適応障害」

メンタルヘルス不調を起因として上記のような病気を抱える可能性があるため、職場でのメンタルヘルス対策は大変重要といえるでしょう。


メンタルヘルス対策を行う上での管理職の役割

従業員のメンタルヘルス対策を行う上で、以下の4つのメンタルヘルスケアが推進されています。


  • ストレスやメンタルヘルスに対する正しい理解やストレスへの気付き、自分でストレスの対処をおこなう「セルフケア」
  • 職場環境等の把握や改善、労働者からの相談対応など職場復帰の支援を行う「ラインによるケア」
  • 具体的なメンタルヘルスケアの実施に関する企画を立案したり、事業場外資源とのネットワークの形成や窓口になったりする「事業場内産業保健スタッフ等によるケア」
  • 情報提供や助言を受けるなどのサービスを活用できる「事業場外資源によるケア」


以上の4つのケアが継続的かつ計画的におこなわれることが重要です。その中でも管理職が行うのは「ラインによるケア」ですが、どのように対応すればいいのか詳しくご紹介します。


管理職が行う「ラインによるケア」とは?

部長や課長などの管理監督者には、事業主から労働者に対して指揮や命令を行う権限が譲渡されています。

この権限に基づいて管理監督者は、部下に指揮命令をして業務を遂行、評価する重要な役割があります。

管理職の立場にある人が行う「ラインによるケア」とは、職場のライン上にいる直属の上司の部長や課長など職場の管理監督者が、部下のいつもと違う様子にいち早く気付き、相談対応や職場環境改善などに努めることです。


さらに重要な点として、管理監督者には業務の指揮や命令を行う権限だけでなく、安全配慮義務を行う責任も事業主から与えられています。

そのため部下の健康への配慮も必要です。この役割を果たすためには、まず部下の健康状態を把握しなければなりません。


管理職が見落としてはいけない部下の「メンタルヘルス不調サイン」とは?

管理監督者である上司が部下の健康状態を把握するためにも、部下がメンタルヘルス不調を抱えている場合のサインを知っておく必要があるでしょう。

具体的にどのような状態になるのか詳しくご紹介します。


部下がいつもと違う行動をする

部下の健康状態を把握する上で大切なのは、管理監督者である上司が部下の「いつもと違う」様子にいち早く気づくことです。たとえば部下に以下のような様子が見られれば要注意です。


  • 以前のイメージと違う
  • 表情に活気がなく、動作にも元気がない(あるいはその逆)
  • 報告や相談、職場での会話がなくなる(あるいはその逆)
  • 不自然な言動が目立つ
  • 仕事の能率が悪くなる。思考力・判断力が低下する
  • 業務の結果がなかなか出てこない
  • 服装が乱れたり、衣服が不潔であったりする
  • ミスや事故が目立つ
  • 残業・休日出勤が不釣り合いに増える
  • 遅刻・早退・欠勤が増える
  • 休みの連絡がない(無断欠勤がある)


管理職がいつもと違う部下の行動に早く気づくためには、日頃から部下に関心を示し、いつもの行動パターンや人間関係の持ち方について知っておくことが必要でしょう。


管理職が部下のメンタルヘルス不調に気づいたらできる4つの対応

部下の不調に気づいたら、どのように対応できるでしょうか。管理職ができる4つの対応についてご紹介します。


①声かけをして話を聞く

職場の管理監督者は、日常的に部下からの自発的な相談に対応する役割も担っています。そのため部下から相談を受けた場合、じっくり話を聞くことが大切でしょう。

また、部下が上司に相談しやすくなるような環境や雰囲気を整えることも重要です。

部下のほうから相談がない場合でも、様子がおかしいと感じたら「調子はどう?」とか「最近元気がなさそうだけど大丈夫?」と声をかけて、本人の話をよく聞くことが大切です。

話を聞く際には、相手に関心を持ち関心を持っていることを表情や態度で相手に伝えましょう。また、相手の立場に立ちながら話を聞くことも重要です。そうすると批判的になることを防ぎ、話を聞いてもらっていると相手に感じてもらえでしょう。


注意すべき点として、話を聞いているうちについ自分の意見を言いたくなるかもしれません。ですが、そうすると部下は上司に対して話しづらくなってしまう可能性があります。相談を受けているときは部下の話にじっくり耳を傾けるようにしましょう。


②仕事の調整をするか医師への受診をすすめるか判断する

部下から話を聞いた上で、仕事の分担を調整する必要があるか、それとも医師への受診をすすめるかを判断しましょう。

仕事の調整をおこなう場合には、質や量、周りのサポート、裁量度から見直しますが、必ず本人との話し合いのもとに行うようにします。

また部下のいつもと違う様子に気づいた場合、背後に病気が隠れている可能性も。病気の有無の判断は産業医や医師が行う仕事のため、素人が判断せず産業医や医師の受診をすすめましょう。


しかし産業医や医師などへの相談をすすめても、中には「病院には行きたくない」「人に悩みを相談するには抵抗がある」など心理的な不安を示す部下もいるでしょう。

本人が拒否する場合には、本人から同意を得た断ったうえで個人情報に配慮しながら管理監督者自身が専門家を訪ねて相談し、アドバイスに従って対応することもできます。


③必要であれば休職措置を取る

医師や産業医と相談し、休職が必要と判断された場合には休職措置を講じましょう。休職期間は限定できないため、チーム内の協力が必要です。

他の従業員の業務負荷が極端に増えないように、よく話し合って調整するよう気をつけましょう。

また休職期間中、休職した部下に対しては様子を見ながら必要に応じて、ときどきチーム内の様子を知らせることができます。

さらに、休職中の経済的な面でのサポートについても、健康保険に加入していれば「傷病手当金」で給与の67%程度が支給されることを説明し、復職するためにしっかり休むことをすすめてください。


④職場復帰の支援

基本は休職前と同じ職場への復帰が望ましいでしょう。そのため、医師や産業医、メンタルヘルス担当スタッフの意見を聞きながら、フルタイム勤務か、短時間勤務かなど健康に配慮した仕事の割り当てをおこないます。

管理職の立場にある人が職場復帰した部下に対して、「復帰した以上きちんと仕事をしてほしい」と考えるのは自然なことですが、復帰した部下がいきなり休職前と同じ仕事量をこなすのは難しいでしょう。

また、復帰した部下は「自分はどう思われているのか」「職場にうまく適応できるだろうか」「病気がまた悪くなるのではないか」などさまざまな不安を抱えている可能性があります。

そのため、管理監督者が復帰した部下の心配する気持ちを受け止め、以下のようにな気を配ることが推奨されています。


  • 業務について負担過多になっていないか
  • 無理をしていないか
  • 職場の中で孤立していないか
  • 他のスタッフの目を気にしている様子はないか


上記のように部下の様子に注意を払う心がけを実施すると、部下は上司が自分のことを理解してくれていると感じやすく、職場での緊張は大幅に軽減されるでしょう。

このような関係性は、他の部下たちにとっても緊張を和らげるプラスの効果が期待できます。


職場復帰支援の際に管理監督者が押さえておく3つのポイント

職場復帰の支援において、管理監督者である直属の上司の役割はとても重要です。そのため職場復帰支援の際に覚えておきたい3つのポイントがあります。


  1. 原則としては元の職場に復帰だが、職場要因の有無や適正配置の観点からも改めて業務を検討する。
  2. 主治医や産業医の意見を踏まえて、そのときの復帰者の健康状態に見合った業務を与え、本人の状況を確認する時間を設ける。
  3. 職場復帰しても定期的な通院加療が必要なことが多いため、通院のための時間の確保に配慮する。


上記の点を考慮に入れて、復帰した部下の支援を行うようにしましょう。


メンタルヘルス対策をするための管理職対象の研修について

働く人たちが自分の持っている能力を発揮し、仕事や職場で存分に活躍するためには、心の健康管理への取り組みが一層重要です。

そのため、管理職にある人が部下のメンタルヘルス対策においてどのように行動できるのか知識を得ておくことはとても大切でしょう。

ここからはメンタルヘルス対策における、管理職を対象にした研修についてご紹介します。


メンタルヘルス対策研修の【目的】

メンタルヘルス対策の研修は以下の目的でおこなわれます。

  • メンタルヘルスの重要性といきいきとした職場づくりの関連性を考える
  • さまざまな事例を見ながら心の病気への正しい理解を深め、対応を学ぶ
  • 職場管理における部下指導をおこなうにあたってのメンタルヘルスポイントの紹介
  • 普段のコミュニケーションの重要性と部下との対話方法を学ぶ
  • 管理職が部下に対してラインケアをおこなえるようになる

ラインケアとは、管理監督者が部下に対しておこなう、メンタルヘルス対策です。

上記のような目的を持った研修に参加することで、メンタルヘルスに関する問題や対応方法を学べます。

また、業務の効率がアップしたり優秀な人材の流出防止、さらには管理職自身も自分の心のケアをおこなえるようになるなどの効果を期待できるでしょう。


メンタルヘルス対策研修の【内容】

職場で必要なメンタルヘルスの基礎知識をわかりやすく学べます。

また、メンタルヘルスの事例を用いた演習により具体的な対応を学び、カウンセリング的な対応にとどまらず会社にとって重要なマネジメントとの関連などの理解も深めることができるでしょう。

研修では以下のような内容を学ぶことができます。

  • 働く人にとっての健康について
  • ストレスとメンタルヘルスの関係について
  • 職場でみられるメンタルヘルスの不調サインについて
  • メンタルヘルス不調者への対応での注意点と管理監督者が取るべき行動について
  • 会社と個人の関係、また健康な組織づくりについて

上記の点を学ぶ標準的なスケジュールは以下のとおりです。

メンタルヘルス 管理職(3)​​​​​​​

引用:公益財団法人日本生産性本部:管理職対象メンタルヘルス「ラインケア」研修


管理職にある上司が部下のメンタルヘルス不調を未然に防いだり、早期発見したりするためにも、積極的にラインケア研修に参加し学ぶことをおすすめします。


管理職による部下のメンタルヘルスケアを大切にし活気ある職場づくりを

会社には従業員を業務させるにあたり、「安全配慮義務」という心身の健康に気を配る義務が科せられています。

管理職にある人は、会社から部下である従業員を管理監督する権限が譲渡されているため安全配慮義務の実行責任を負っていることになるのです。

部下のメンタルヘルスケアを大切にし、どのように対応できるのか具体的な知識を得るなら、メンタルヘルス不調を未然に防いだり早期発見ができたりするでしょう。

従業員が心身ともに健康に働くため、しっかり対策をおこない相談しやすい職場づくりや、活気ある職場をつくっていきましょう。


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mediment(メディメント)は、従業員のあらゆる健康データを一元管理し、産業保健業務の効率化を支援するクラウドシステムです。 クラウドシステムならではの多彩な機能で、あらゆる業務のペーパーレス化を実現し、従業員のパフォーマンス向上に貢献します。

監修者情報

三浦 那美(メディフォン株式会社産業看護師/第一種衛生管理者)

看護師として大学病院の内科混合病院にて心疾患や糖尿病、膠原病などの患者対応業務に従事。その後、看護師問診や海外赴任向けの予防接種を行っているクリニックに転職。これら医療機関での経験を通じ、予防医療やグローバルな医療提供の重要性を感じ、メディフォンに入社。現在は、産業看護師として健康管理システム「mediment」のオペレーション業務やコンテンツ企画を担当。

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