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テレワークのメンタルヘルス対策とは?|原因や対応ポイント・注意点を解説!


近年、テレワークが拡大しプラス面が多い一方、メンタルヘルス不調が新たな課題となっています。

この記事では、人事・労務担当者に向けて、テレワークのメンタルヘルス対策方法について説明します。


目次[非表示]

  1. 1.テレワークでメンタルヘルス不調になる要因とは?
  2. 2.テレワークにメンタルヘルスケアが必要な2つの理由
  3. 3.企業がおこなうテレワークのメンタルヘルス対策6つのポイント
  4. 4.テレワークのメンタルヘルス対策は企業に明るい未来をもたらす


テレワークでメンタルヘルス不調になる要因とは?

テレワークの導入は、通勤負担が減る、毎日スーツを着る必要がなくなるなど、メリットもあります。

しかし、テレワークにより出勤している時とは違うストレスの原因が増え、メンタル不調を引き起こす従業員も出てきました。


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仕事のオン・オフの切り替えが難しい

テレワークは仕事とプライベートの境界線が曖昧になりやすく、オン・オフの切り替えが難しいです。

出勤していれば会会社にいる時は仕事、自宅はプライベートと自然と区切りができていました。

しかし、テレワークだといつでも仕事ができるため、勤務時間や残業時間が増える、プライベートの時間でも仕事が気になって仕事に戻ってしまうなど仕事とプライベートの境界が曖昧になってしまいがちです。

オン・オフの切り替えが上手にできないと心身共に負担がかかる傾向にあります。


コミュニケーション不足に陥る

テレワークにより、一緒に働く従業員とのコミュニケーションを取る機会が減るとストレスを感じやすくなります。

出勤時は、仕事の合間や休み時間などに他愛のない雑談をし、相手とコミュニケーションを取る機会が多くありました。

仕事以外の会話は相手と信頼関係を築くのに役立っていましたが、テレワークでは会話は必要最低限やミーティングのみというケースもあります。

特に、新入社員や異動したばかりの従業員は孤独感・閉塞感を感じやすいです。

また、管理監督者もコミュニケーション不足により、部下のメンタル不調に気づきにくいというデメリットがあります。孤独感から自信を失い、仕事のモチベーションが下がり、生産性が下がるという悪循環に陥る危険性があります。


家庭環境と仕事環境の問題

テレワークにより、多くの従業員の仕事場が会社から自宅などに変更となりました。家庭環境と仕事環境もストレスの要因のひとつとして考えられます。


家庭環境に起因する

家族がテレワークに対して理解がない場合は、ストレスを感じるでしょう。

小さい子供どもがいる場合などは、仕事だけに集中するのが難しいときもあります。

また、一人暮らしの場合は孤独感や閉塞感を感じやすいです。


仕事環境がテレワーク向きではない

仕事環境が整っていない場合、仕事がスムーズに進まず、ストレスの要因となり得るでしょう。本来、自宅は生活のための場であるため、仕事向きではない場合が多いです。

仕事に不可欠な自宅の通信環境が整っていない、椅子や机が仕事向きでない場合も多く、疲れや肩こり・腰痛などの身体の不調にも繋がります。

ワンルームで生活している場合は椅子や机がなく、ベットの上で仕事せざるを得ないケースもあります。

生活音や周りの音が仕事中に気になったり、オンラインミーティング中に他の人に音が聞こえてしまうのも好ましくないと感じる人もいるでしょう。


テレワーク状況への不公平感・不満

テレワークは、すべての職種・業務で実現できる勤務スタイルではありません。

テレワークを導入しても、本人が望む勤務スタイルではない場合は、ストレスが溜まりメンタル不調の要因となります。

テレワークを希望しているにもかかわらず、テレワークができない場合は不公平感をもたらし、不満が出ます。

一方、テレワークを希望していない従業員がテレワークとなった場合は、相当なストレスを感じる可能性が高まります。

今まで出勤するのが当たり前だったため、テレワークそのものに抵抗を感じる従業員もいます。

ICT(情報通信技術)に苦手意識のある従業員はテレワーク事態を苦痛に感じるでしょう。ツールをうまく使えないと、業務遂行能力が低下し、ストレスが累積します。


仕事の量・人事評価に対する不満

テレワークは、他の従業員の働き方が見えづらく、不公平感や人事評価の不透明性を感じてストレスに繋がりがちです。

人事評価が明確ではないとモチベーションの低下に結びつきます。


仕事量の不公平感

テレワークでは、他の従業員が働く様子が見えません。業務量などに差が生じても確認ができないのが現状です。各従業員の労務管理が難しいため、長時間労働に繋がるのもストレスへと繋がります。


人事評価に対する不満

管理監督者は部下の日頃の働きぶりが見えづらく、評価しづらいという難点があります。

部下は、自分の仕事ぶりがきちんと上司に理解されているか判断しづらい状態が続くとモチベーションが下がり、結果として仕事の生産性が低下してしまいます。

従来通りの人事評価制度では対応できないため、新しい人事制度を採用する必要があります。


テレワークにメンタルヘルスケアが必要な2つの理由

テレワークにメンタルヘルスケア対策が必要な理由は大きく分けて2つあります。

1つは安全配慮義務をテレワークでも遵守しなければならない点、もう1つは、職場・従業員の生産性の低下防止とリスクマネジメントが必要な点です。


テレワークにも安全配慮義務は必須

企業に課せられている安全配慮義務などの安全衛生関係法令は、テレワークでも適用されます。

労働契約法第5条や労働安全衛生法第3条にて定められている安全配慮義務について労働者の安全と健康確保のための措置を講じなければなりません。


(労働者の安全への配慮)

第五条 使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。

引用:労働契約法第5条


(事業者等の責務)

第三条 事業者は、単にこの法律で定める労働災害の防止のための最低基準を守るだけでなく、快適な職場環境の実現と労働条件の改善を通じて職場における労働者の安全と健康を確保するようにしなければならない。

引用:労働安全衛生法 第3条


職場・従業員の生産性低下の防止とリスクマネジメント

テレワークでも、会社勤務の時と同様に職場の生産性の低下を防止し、リスクを回避する必要があります。

テレワークでは、管理監督者が部下が日頃働く様子を見れないため、メンタル不調に気づきにくいという問題があります。

メンタルヘルス対策は、進行が速く、早期発見・早期対処が求められます。テレワークの場合は、出勤時以上に細心の注意を払って対応しましょう。


企業がおこなうテレワークのメンタルヘルス対策6つのポイント

企業でできるテレワークのメンタルヘルス対策に必要な6つのポイントがあります。

メンタルヘルス対策は、厚生労働省の「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」やポータルサイト「こころの耳」を参考に取り組みましょう。

厚生労働省のチェックリストの活用から始め、企業が従業員に積極的に働きかけるのが大切です。ポイントを項目ごとに紹介します。


1.厚生労働省のチェックリストを活用する

テレワークのメンタルヘルス対策といっても、まず何から始めたら良いのかわからない場合もあるでしょう。

テレワークが急速に普及したため、厚生労働省は2021年3月に「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」を改定しています。

ガイドラインの中で提示しているチェックリストを事業者用、従業員用共に確認し、社内のテレワーク時のメンタルヘルス対策に活用しましょう。


2.コミュニケ―ションの場を設ける

企業は、テレワークによって減少したコミュニケーションの場を作り、従業員同士の積極的な交流を働きかけましょう。

孤独感や閉塞感を減らし、他の従業員との信頼関係を築くのに役立ちます。具体的には下記のような取り組みが効果的です。


  • 相談窓口を設置する
  • 上長との1対1ミーティングを実施する
  • チームごとのオンライン定例会議を実施する
  • 管理監督者がZOOMを利用したオンライン会議・オンライン面談など顔が見られる連絡手段で部下と連絡を取る
  • 業務以外の場での交流の機会を設ける(オンラインランチ会など)


3.ストレスチェックを活用する

テレワークこそ、ストレスチェックをおこないましょう。一定以上の事業場では、ストレスチェック制度は、法律にて義務づけられています。

メンタルヘルスの問題は、複雑で自分では不調に気づかないケースも多いです。

また、テレワークでは、管理監督者が部下の様子をチェックする機会が減り、部下のメンタル不調に気づきにくいです。

ストレスチェックによって従業員に自分自身のストレス状態を自覚してもらうことで、管理監督者は高ストレスと判定された部下に対し、相談に乗る、産業医面談を勧めるなどの対策できます。

メンタルヘルス対策は、早期発見・早期対処が大切ですので積極的に活用しましょう。

「mediment(メディメント)」であれば、ストレスチェックが、パソコン・スマートフォンからオンライン受検でき、受検率の向上に効果的です。

ストレスチェックの結果は、データ化されるので高ストレス者の洗い出しが簡単にでき、産業医面談などへとつなげるのに有効です。


ストレスチェックの詳細については、以下の記事で詳しく解説しています。

  ストレスチェック制度完全マニュアル~概要から実施方法まで徹底解説~ 2015年12月より、労働安全衛生法第66条の10に基づいて、一定規模を超える事業場に対して、ストレスチェックの実施が義務付けられました。 この記事では、ストレスチェック制度の概要や、実施マニュアルにのっとったストレスチェックの実施方法を解説していきます。 mediment(メディメント)


4.社内でセルフケア方法について周知する

厚生労働省が「労働者の心の健康の保持増進のための指針」の中で示す、4つのケアのうちの1つ「セルフケア」方法について企業から積極的に働きかけましょう。

メンタルヘルスケアは、メンタルヘルス不調を抱える従業員だけではなく、働く方すべてが対象となる取り組みです。

適切な「セルフケア」を従業員へ周知し、実施してもらうと早期発見・早期対処でき、メンタルヘルス不調に陥るのを防止できますのでおこなうと良いでしょう。

従業員におこなってもらいたい「セルフケア」の5つのポイントについて項目ごとに説明します。


①生活リズムを整える

セルフケアは、生活リズムを整えることから始めます。生活リズムを整えるのは、強靭なメンタルや体力づくりの基本となる大切な取り組みです。

会社へ出勤していた時は、毎日決まった時間に起きて、電車に乗る、昼休憩の時間、就業時間などがほぼ決まったリズムでおこなわれていました。

テレワークでも会社に勤務していた時間と同様にルーティンを組むとリズムを整えるのに役立ちます。

また、洋服を必ず着替えてから業務に取り掛かるようにします。

服装は社内規定によりますが、パジャマではなく、仕事に適した服装に着替えると気持ちが引き締まり、仕事モードに切り替えやすくなります。


②休憩の取り方を工夫する

テレワークでの休憩時間はできる限り、パソコンやタブレット、スマートフォンといったデジタル画面から離れて心と身体を休めましょう。

休憩時間には、人と話すようにしてみたり、外に出て風に当たったりすると気分転換になるのでおすすめです。

休日も同じようにデジタル画面から離れるようにするとリフレッシュ効果が高まり、ストレスの解消に繋がります。


③積極的なコミュニケーションを心がける

テレワークではコミュニケーションを取る機会が限られていますので、自分から積極的にコミュニケーションを取るように心がけましょう。

会社勤務と同じ感覚で発言していると、発言の総数が少なくなるため、孤独感を抱きやすいです。

無理のない範囲で自分からコミュニケーションを取ると孤独感が減ります。他の従業員の発言を促し、職場の雰囲気を明るくするのにも効果的です。


④運動不足の解消に努める

テレワークではずっと座りっぱなしの為、運動不足になりやすいです。生活の中に運動をする時間を作るようにしましょう。

運動不足の解消に加え、肥満の防止、ダイエット効果も期待できます。

具体的には、今まで通勤時間に当てていた時間に散歩を取り入れると生活リズムを整えるのにも効果的ですし、明るい気分にさせてくれます。

短い休憩時間には、簡単なストレッチやヨガを取り入れ、運動不足の解消に努めましょう。

厚生労働省のサイト「こころの耳」では、どなたでも気軽に取り組めるヨガの方法を紹介しています。

仕事の合間に1分から気軽に始められるできるのでぜひ取り入れましょう。

参考:リラクセーションYOGA|ポジシェア|こころの耳 


⑤仕事場の環境を整える

テレワークを快適におこなうには仕事環境を整えるのが大切です。可能であれば仕事部屋を作ると良いでしょう。

仕事部屋を作るのが難しい場合は仕事のスペースを仕事しやすいように変更します。

	自宅等でテレワークを行う際の作業環境の整備について

引用:厚生労働省 「自宅等でテレワークを行う際の作業環境整備」


仕事で使用する机や椅子は、長時間デスクワークしても疲れないアイテムに変更すると良いでしょう。

目の疲れ・肩こり・腕の疲れ・腰痛といったデスクワークに伴う身体の不調も軽減でき、ストレスの軽減に役立ちます。照明や空調、騒音なども気を配り、働きやすい環境を作りましょう。


5.社内研修の実施

企業は、管理監督者や従業員に向けて、テレワークの必要性やメンタルヘルス対策研修を行い、意識の向上に努めましょう。

研修内容は、「テレワークの必要性」「テレワークにおけるメンタルヘルス対策」などです。


テレワークの必要性について

テレワークの必要性について自社の考えを従業員に向けて研修すれば、不満や不公平感の解消につながります。


テレワークのメンタルヘルス対策について

テレワーク時のラインケア研修やメンタルタフネス(ストレス耐性や心の強さなど)研修を実施しましょう。

メンタルヘルスケアは働く従業員すべてが当事者意識を持って取り組まねばならない課題です。

しかし、何をしたらいいのかわからないという方も多いでしょう。

研修の実施によって対策方法が分かれば、メンタルヘルス対策を実践する人が増え、安定したメンタルで仕事ができるようになります。


6.作業環境の改善を補助する

セルフケア対策の中の「テレワークの仕事場の環境を整える」については、企業の費用補助も検討してみましょう。

テレワークができない部署には、職場環境を整える費用は不要です。テレワークの対象者だけが費用を負担するとなると、不満の声が挙がるかもしれません。

企業から補助を出すと、不公平感の解消に効果的です。

また、集中できる作業スペースの作り方をマニュアル化して社員に周知するのも有効な手段です。

作業環境が整うと、業務の効率化が上がり生産性の向上に期待できます。


テレワークのメンタルヘルス対策は企業に明るい未来をもたらす

企業が実施すべきテレワークのメンタルヘルス対策について説明しました。新型コロナウイルス感染症の急拡大により普及したテレワ―クは、これから先も拡大していく働き方となるでしょう。

テレワークは、会社勤務に比べ、メンタルヘルス不調に気づきにくく、メンタルヘルス対策の要である早期発見・早期対処が遅れる危険性があります。

テレワークのメンタルヘルス対策をすると、従業員・職場の生産性を上げ、リスクを回避し、会社の業績アップに繋がります。

一気に全ての対策をおこなうのは難しいかもしれませんが、自社で対応できそうなことから始めてみてもいいでしょう。


メンタルヘルス不調者の復職支援については、以下のお役立ち資料で詳しく解説しています。

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メンタルヘルス対策には早期発見・早期対処が大切です。「mediment(メディメント)」のストレスチェックなどのメンタルヘルス不調の早期発見に役立つツールを使用し、テレワークでのメンタルヘルス対策に努めましょう。


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mediment(メディメント)は、従業員のあらゆる健康データを一元管理し、産業保健業務の効率化を支援するクラウドシステムです。 クラウドシステムならではの多彩な機能で、あらゆる業務のペーパーレス化を実現し、従業員のパフォーマンス向上に貢献します。

監修者情報

三浦 那美(メディフォン株式会社産業看護師/第一種衛生管理者)

看護師として大学病院の内科混合病院にて心疾患や糖尿病、膠原病などの患者対応業務に従事。その後、看護師問診や海外赴任向けの予防接種を行っているクリニックに転職。これら医療機関での経験を通じ、予防医療やグローバルな医療提供の重要性を感じ、メディフォンに入社。現在は、産業看護師として健康管理システム「mediment」のオペレーション業務やコンテンツ企画を担当。

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