ストレスチェック結果の保存期間は5年!閲覧範囲や開示方法について徹底解説
ストレスチェックの結果は、本人のみが閲覧可能で、第三者が閲覧することは禁じられています。
この記事では、ストレスチェック結果の適切な保存方法について、ご紹介します。
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以下の資料では、ストレスチェックの一連の流れとポイントがわかります。ぜひ業務にお役立てください。
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ストレスチェックの結果の適切な取り扱い方法とは?
ストレスチェックで得られた結果には、適切な取り扱い方法が定められています。ずさんな管理で第三者に閲覧されることのないよう、十分に注意しましょう。
本人のみが閲覧できる方法で通知
ストレスチェックの結果は、本人のみが閲覧できる方法で通知します。ストレスチェックの実施者から本人へ通知されますが、封をした封書やメールなど、本人にしか届かない方法で通知しましょう。
この際、結果通知書の取り違えが起きないよう注意が必要です。
第三者への伝達はNG
ストレスチェックの結果を閲覧できるのは本人と実施者、実施事務従事者です。
実施者や実施事務従事者が個人の結果を上司や第三者に報告することは禁じられています。上司として部下の結果が気になる場合もありますが、繊細な情報だからこそ、本人以外の第三者へ伝達するのは絶対にNGです。
また、ストレスチェックによる労働者の不利益を防止するためにも、人事権のある従業員はストレスチェックの実施に関われません。
ストレスチェック結果の保存期間と開示方法
ここでは、ストレスチェックの保存期間と開示方法について解説していきます。
ストレスチェックの結果は5年間保存
ストレスチェックの結果は5年間保存することが義務付けられています。また、結果だけでなく以下の書類についても、同様に5年間の保存を徹底しましょう。
- 面談希望者のリスト
- 面談希望者への対応内容や意見書
- 集団分析の結果
セキュリティが完備された、安全な管理下のもとできちんと保存するようにしましょう。
紙媒体、電磁的記録のどちらでもかまいませんが、第三者がアクセスできない環境で保存する必要があります。紙媒体であれば鍵がかけられる棚や箱、電磁的記録であればパスワードをかけて自社のサーバーで保管をすると良いでしょう。
ストレスチェックを外部委託する場合は、委託先のシステムで保管することも可能です。
medimentなら、ストレスチェック結果の保管も可能です。以下からmedimentの資料がご覧いただけますので、ぜひチェックしてみてください。
データ化した情報は第三者に開示できる
労働者個人のストレスチェック結果は開示が禁じられています。しかし、個々の結果をもとに作成したデータは、第三者に開示可能です。
その理由は、集団分析などで作成されたデータでは個人を特定できないからです。とはいえ、事業所の集団規模が10人未満であれば個人を特定できる可能性があるため、全員の同意がない限りは結果を開示できません。
結果を事業者に提供してもらう際は個別に同意を取る
ストレスチェック結果を事業者に提供してもらう際には、従業員それぞれから同意を取る必要があります。
同意を取得する方法は、厚生労働省のマニュアルで以下のように定められています。
① ストレスチェックを受けた労働者に対して当該ストレスチェックの結果を
通知した後に、事業者、実施者又はその他の実施事務従事者が、ストレスチェ
ックを受けた労働者に対して、個別に同意の有無を確認する方法。② ストレスチェックを受けた労働者に対して当該ストレスチェックの結果を
通知した後に、実施者又はその他の実施事務従事者が、高ストレス者として選
定され、面接指導を受ける必要があると実施者が認めた労働者に対して、当該
労働者が面接指導の対象であることを他の労働者に把握されないような方法
で、個別に同意の有無を確認する方法。引用:厚生労働省「労働安全衛生法に基づく ストレスチェック制度 実施マニュアル」
ストレスチェックの結果を知る前に情報提供の同意を取ることはできませんので、注意しましょう。
具体的な取得方法としては、ストレスチェックの結果を送付する際に、同意確認書類を同封するなどが挙げられます。
同意確認は書類または電磁的記録によっておこない、記録は事業者が5年間保存する必要があります。
また、ストレスチェックを外部機関に委託する際も、外部機関の実施者及びその他の実施事務従事者以外の者は、労働者の同意なく、ストレスチェック結果を把握してはいけません。
外部機関の実施者がストレスチェックを委託元の産業医に限定して情報を提供する際も、緊急を要する場合を除き、労働者の同意を取得するように定められています。
ストレスチェック結果が高ストレス判定だった場合の流れ
ここからは、ストレスチェック実施後に高ストレス判定と通知された労働者がいた場合の流れについてご紹介していきます。
「高ストレス者」判定者へ結果&対処法を通知
ストレスチェックの結果、高ストレスと診断された労働者には、2通りのアプローチがあります。該当する労働者の意思により、アプローチ方法は自由に決めることが可能です。
本人が希望する場合:面接指導を実施
高ストレスと診断された本人が希望する場合、産業医による面接指導が受けられます。面接指導とは、医師によってメンタルヘルスの不調のリスクを評価することです。心身の状態や勤務状況を確認し、本人に指導を行います。
高ストレス者の選定基準は、
① 調査票のうち、「心理的な負担による心身の自覚症状に関する項目」の評価点数の合計が高い者
② 調査票のうち、「心理的な負担による心身の自覚症状に関する項目」の評価点数の合計が一定以上の者であって、かつ、「職場における当該労働者の心理的な負担の原因に関する項目」及び「職場における他の労働者による当該労働者への支援に関する項目」の評価点数の合計が著しく高い者
このどちらかを満たす従業員が該当します。上記の基準で抽出した対象者に対して、ストレスチェック実施者が面接指導を推奨します。対象者の申し出により面接指導を実施し、医師から面接指導の結果を聞き取ります。
面接指導は医師資格を持つ者であれば誰でもおこなえますが、各事業場の事情を知っている産業医がおこなうことが推奨されています。
面接指導の結果は5年間、事業所で保管するようにしましょう。
本人が希望しない場合:あらためてストレスチェックの目的を周知
高ストレスと診断された本人が面接指導を希望しない場合、まずは「ストレスチェックの目的」と「不利益取り扱い防止」についてもう一度丁寧に周知しましょう。
面接指導を希望しない労働者の中には「この結果で今後の就業に影響が出たら困る」という理由から、面接指導を断る場合もあるからです。
- 面接指導を行うメリット
- 不利益な取り扱いは行われないこと(法律で禁じられている)
この2点についてきちんと知ってもらいます。それでも面接指導を希望しない場合は、外部の心療内科などを受診することをすすめましょう。
高ストレス者に配慮すべきポイント
高ストレス者への対応は本人の心理的負荷も高く、とてもデリケートな問題です。面接指導によって不利益な取り扱いが行われないか、不安に感じる可能性もあります。
ストレスチェックの結果をもとに、不利益な取り扱いを行うことは法で禁じられているときちんと周知しましょう。
また、「対面では相談しづらい」という労働者のために、申し出やすい環境づくりも重要になります。
- オンライン受付の設置
- 社外への相談窓口の設置
- オンラインツールを使った面接指導の取り組み
など、方法はさまざま。高ストレス者が話しやすい環境づくりを心がけましょう。
ストレスチェック後の集団分析結果の見方とは
ストレスチェックの実施後、各集団ごとに結果をデータ化して解釈することを集団分析といいます。ここでは、ストレスチェック実施後の集団分析の見方について詳しく見ていきましょう。
集団分析で得られる結果の種類
集団分析で得られる結果は「仕事のストレス判定図」といい、以下の2種類のデータをもとに見ていきます。
- 量ーコントロール判定図
- 職場の支援判定図
上記の2つの項目でわかることは以下のとおりです。
①仕事の量による負担
②仕事のコントロール
③上司の支援
④同僚の支援
この4つの項目から、仕事でのストレスの負担を分析します。
分析結果の見方で知っておきたいポイント
集団分析の見方で知っておきたいポイントについて、詳しく見ていきましょう。
量ーコントロール判定図
量ーコントロール判定図でわかることは、仕事の量による負担・仕事の裁量権によるストレス度合いです。
縦軸は仕事のコントロール、横軸は仕事の量的負担を示す数字です(中心は全国平均)。
ストレスが高い場合:仕事のコントロール点数が低く、仕事の量的負荷の点数が高い(右下に下がるほど高くなる)
ストレスが低い場合:仕事のコントロール点数が高く、仕事の量的負荷が低い(左上に上がるほど低くなる)
職場の支援判定図
職場の支援判定図では、同僚や上司からの支援が受けられるかどうかによる健康問題のリスクを判定しています。
縦軸が同僚からの支援、横軸が上司からの支援を示す数字です。
ストレスが高い場合:同僚・上司からの支援の数値が低い(左下へ下がるほど高くなる)
ストレスが低い場合:同僚・上司からの支援の数値が高い(右上へ上がるほど低くなる)
集団分析についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
結果は労基署へ報告する義務がある
ストレスチェックの実施が義務づけられているのと同様に、労基署への報告もする必要があります。
現在は紙と電子申請のどちらでも問題ありませんが、2025年1月からは電子申請が義務化されるのでご留意ください。
提出期限は決まっていませんが、前回の提出から1年以内に提出する必要があるので、「自社では毎年○月に提出する」と決めておくと良いでしょう。
報告書の作成方法については、以下の記事で解説していますので、ぜひご覧ください。
ストレスチェック結果は個人のみ閲覧可能、安心して受検を
ストレスチェックの結果を第三者が閲覧することは禁じられています。結果は本人のみが見られるような通知方法にし、他の従業員に閲覧されないことが大切です。
また、ストレスチェックの結果は5年間保存する義務があります。セキュリティのしっかりした環境で保管するようにしましょう。
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>>>資料をチェック:ストレスチェック制度に対応するための8つのポイント
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