健康診断結果を保管するときのポイントとは?健康診断後の流れについても解説!
労働安全衛生法第66条にて、企業は従業員に対して健康診断を実施し、適切に結果を保管するように義務付けられています。
この記事では人事・労務担当者に向け、健康診断後の流れや健康診断結果の保管期限・保管方法など取り扱いについて説明します。
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健診結果の保管を含む事後措置の流れや企業の義務については、以下の資料で説明していますので、ぜひダウンロードしてお役立てください。
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健康診断結果の保管期間は何年?
事業者に義務付けられている健康診断には「一般健康診断」と「特殊健康診断」の2種類に分けられます。このうち、すべての企業・労働者が対象となり、職種等に関係なく実施が義務付けられているのが「一般健康診断」です。
健康診断結果の保管期間は、上記を含む健康診断の種類によって異なります。
- 一般健康診断結果:保管期間は5年
- 特殊健康診断結果:保管期間は5年~40年間
それぞれの保管期間について詳細をチェックしていきましょう。
一般健康診断の保管期間は5年
一般健康診断結果の保管期間は「5年」と決められています。ちなみに、一般健康診断は以下の5つの健康診断を指します。
- 雇入時の健康診断
- 定期健康診断
- 特定業務従事者の健康診断
- 海外派遣労働労働者の健康診断
- 給食従業員の検便
引用:厚生労働省 労働安全衛生法に基づく健康診断を実施しましょう
定期健康診断については、以下の記事で詳しく解説しています。
企業担当者は、従業員から健康診断の結果を受け取った後、健康診断個人票(企業が労働安全衛生法に基づき実施した健康診断結果を個人ごとに記載した書面)を作成し、保管する義務があります。
健康診断個人票の作成には、様式第5号(労働安全衛生規則)が使用されますが、様式第5号にある項目が記載されていれば形式は問われません。また、健診機関から一覧表形式で報告される健診結果についても、様式第5号の記載項目を満たしていれば個人票として認められます。
いずれにせよ、健康診断個人票にはセンシティブな内容が含まれるため、個人情報の管理に十分配慮しつつ「5年間」適切に保管しましょう。
特殊健康診断の保管期間は5年~40年
「特殊健康診断」とは、対象が「一般健康診断」とは異なり、労働衛生対策上特に有害である業務に従事する労働者を対象として実施が義務付けられている健康診断です。
特殊健康診断も診断結果の保管義務があり、保管期間は担当業務によって「5年〜40年」と定められています。
引用:厚生労働省「労働安全衛生法に基づく健康診断を実施しましょう」
特殊健康診断については、以下の記事で詳しく解説しています。
健康診断後に実施する6つの項目
企業に義務付けられている健康診断は、結果の保管を含め、健診実施後の対応が重要です。健診施設より返却された健康診断結果をもとに労働者の健康状態を把握し、労働者が心身ともに健康に働けるようにフォローしましょう。
企業が実施する健康診断の事後措置は大きく6つの項目に大別できます。
- 健康診断結果の記録・保管
- 健康診断の結果についての医師等からの意見聴取
健康診断実施後の事後措置
健康診断結果を従業員へ知らせる
特に健康の保持に努める必要がある労働者への保健指導
- 健康診断結果を労働基準監督署へ報告
健康診断結果は、診断内容を文書にて記録し保管するよう定められています。前述の通り、健康診断結果の保管期間は、「一般健康診断」と「特殊健康診断」の内容ごとに異なりますので、決められた期間を守って保管しましょう。
健康診断後「異常の所見あり」と診断を受けた従業員に対しては、3ヵ月以内に産業医などの意見を聞くよう義務付けられています。
聴取した産業医からの意見は健康診断個人票に記載し、健診結果とあわせて適切に保管しましょう。
また、健康診断の結果、特に健康の保持に努める必要がある労働者に対して医師や保健師による保健指導の実施が、努力義務として定められています。
健康診断結果の取扱いや保管、労働基準監督署への報告といった事務的な業務と並行して、従業員の健康維持や働きやすい職場作りに向けた対策にも丁寧に取り組むといいでしょう。
健康診断結果の労基署への報告方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
>>>健康診断の事後措置については、以下の記事で詳しく説明しています。
健康診断結果の保管・取扱いに関する4つのポイント
健康診断結果の保管は法で定められた義務であることに加え、個人情報が数多く含まれるため、取扱いには十分注意しなければなりません。
健康診断結果の保管・取扱いにおいて理解しておきたいポイントは以下の4点です。
- 健康診断結果は電子媒体(データ)または紙で保管する
- 健康診断結果は要配慮個人情報のため取り扱いに注意する
- 退職者の健康診断結果も決められた期間内は保管する
- 派遣社員の健康診断結果は派遣先が保管する
それぞれの項目について詳しくみていきましょう。
1.健康診断結果は電子媒体(データ)または紙で保管する
健康診断の結果は、電子データまたは紙にて保管するように定められています。紙で保管する場合はファイリングやラベリングなどの作業が必要です。また、保管するうえでは物理的な収納スペースも確保しなければなりません。
さらに産業医面談など過去の健康診断結果を参照する場合、必要データを探し出す作業にも時間と労力がかかる可能性があります。
電子データでの保管であれば収納スペースを用意する必要がなく、過去の健診結果の参照や分析等も電子上でスムーズに実施できる点は大きなメリットでしょう。
medimentを導入して、紙管理からの脱却を叶えた事例を以下でご紹介していますので、ぜひご覧ください。
2.健康診断結果は要配慮個人情報のため取り扱いに注意する
健康診断結果は、「要配慮個人情報(職場で不当な差別や偏見などの不利益が起こらないように配慮すべき情報)」に該当するため、取り扱いには厳重に注意しましょう。
法定項目の結果に関して、事業者は従業員本人の同意がなくても、健康診断結果を取得できます。
ただし、健康診断の結果を閲覧するのは健康診断の管理に関わる担当者など、業務上必要な場合に限定することが好ましいです。
また、健康診断結果を第三者に提供する場合は、原則として従業員本人の同意を得る必要があります。
企業は、健康情報等を適切に取扱うため、労働者と使用者との間で情報取扱いの目的、方法、権限等について定め、労働者に周知する必要があります。
詳細については、以下の健康情報等取扱規程の記事で解説していますのでぜひご覧ください。
3.退職者の健康診断結果も決められた期間内は保管する
退職者の健康診断結果も、雇用中の従業員と同様に扱うよう定められており、法律で決められた期間内(一般健康診断であれば「5年」、特殊健康診断結果は「5〜40年」)は保管する必要があります。
従業員が退職したからといって、保管期間を守らずに健康診断結果を破棄しないように注意しましょう。
なお、規程の保管期間を過ぎた健康診断結果は、法律や事業場の就業規則により保存期間が定められている場合を除き、速やかに消去し個人情報の漏洩を防ぐように努めます。
4.派遣社員の健康診断結果は派遣元が保管する
派遣社員の健康診断結果の保管は、健康診断の実施と同様に「派遣元」企業の義務に該当するため、派遣先企業には健康診断の実施及び健康診断結果の保管義務はありません。
派遣元企業は、派遣社員に「雇入れ時健康診断」と1年に1度の「定期健康診断」を実施する必要があります。また、深夜業につく場合は、配置換えのとき及び半年に1回の頻度で健康診断を実施します。
健康診断を実施した後は、派遣元企業にて結果を保管します。この際、派遣社員の許可がなければ派遣先企業にも情報を提供できないので注意しましょう。
ただし、「特殊健康診断」は通常「派遣先」の企業が実施します。健康診断結果の保存も、派遣先の企業がおこないます。
>>>派遣社員の健康診断については、以下の記事で詳しく解説しています。
健康診断結果を適切に保管し健康経営につなげよう
健康診断結果の保管と、健康診断後に実施する項目について説明しました。健康診断結果は労働安全衛生法で保管が義務付けられています。保管は紙と電子データどちらの方法でも可能ですが、電子データで管理すると効率的です。
健康診断結果は「要配慮個人情報」のため、従業員本人の同意なく、第三者に情報を提供しないなど慎重に取り扱いましょう。
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